山陽本線の新山口駅にやってきています。
この駅は山陽新幹線のぞみ号も多く停まる駅で、山口県の玄関口と言っても良いでしょう。
県庁所在地の山口や萩へのアクセスにはここからバスに乗り換えるのが便利です。
一方で新山口駅からは山口線の特急列車が走っています。
これから乗車するのはスーパーおき鳥取行き。益田から出雲市を通って鳥取に至ります。
この列車には車内販売や自動販売機が無く、途中駅の停車時間も短いため飲み物を買うのも少々難しいです。
そういう訳であらかじめ飲み物や食べ物を買っておく必要があります。
2両で走ることもありますがこの日は休日であったため3両での運行。自由席は先頭車両の1両です。
また、これほど長距離の特急ですがグリーン車が無いのは珍しいように思います。
車両側面には島根県の牡丹の花が描かれており、車両によっては鳥取県の二十世紀梨の花の場合もあります。
このキハ187系は鳥取県と島根県がJR西日本に資金を出して作った列車であるため、それらの県花が描かれているのです。
それでは列車に乗り込み、5時間以上の旅の始まりです。
新山口駅を発車すると車両基地が左手に見られます。
反対側にもディーゼル列車が置かれた転車台が残っています。
新山口駅から15分ほどで山口駅に到着。山口県の県庁所在地の駅ですからここで降りられる方も多くいらっしゃいましたが、噂通り少々規模の小さい駅です。
新山口駅で買っておきました、ふく福めしを頂きます。
ふぐと言えば下関ですが、下関駅では駅弁の販売が終わってしまったそうで、新山口まで来なければいけません。
ふぐのからあげと天ぷらが3つずつ入っていて、どちらも鶏肉のようでお魚の食感がします。
山口駅を出た後は山の中、上り区間です。
山口線内ではあまりスピードを出すこと無く、このくらいの速度で走り続けます。
徳佐駅に到着。ここは単線であって、反対方向のスーパーおきと行き違いが行われました。
この列車は他のスーパーおき/スーパーまつかぜよりも停車駅が多く、それほど大きな駅でなくてもそれぞれの地域の中心部には停車するようにしているようです。
しばらく山の中をゆっくり時間をかけて走ってきましたが、島根県を思い起こさせる赤い瓦の家々が見えてきました。
津和野駅は島根県最初の駅であり、SLやまぐち号の終着駅。
津和野町は歴史と文化の街であり、その町並みは西の小京都とも呼ばれます。
日原駅は岩国から岩日線として接続するはずの駅でした。その路線は途中まで建設され、現在の錦川鉄道です。
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列車は蛇行する高津川沿いを走ります。
途中には新しそうで色鮮やかな橋も見られました。
益田駅に到着し、山口線から山陰本線に入ります。
ここからは高校生の部活動をしていそうな人たちが団体で乗車なさってきました。
山口線の山の区間から海沿いの山陰本線へ入ると、日本海が真横に見えてきます。
山陰海岸では湾を様々な角度で見られるのが魅力です。
益田からは一転して110km/h近く出して走っていきます。
浜田駅に到着。駅前には大きな病院が建っていて、島根県西部の中心地としての機能を果たします。
ここ浜田駅には広島から結ばれる広浜線の計画がありました。これは現在の可部線を延長する形です。
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駅に近づくと海から遠ざかって街へ入っていきますが、途中の区間ではかなり長い間日本海を近くに見られます。
絶対にこの区間は左手の海側に座らなければもったいないです。
江津駅に到着。2018年3月に廃止された三江線の乗換駅でした。
夕方になり段々とお腹が空いてきます。新山口のセブンイレブンでちょっとしたお菓子を買っておいて良かったです。
このような長距離特急では少し多めに食べ物を買っておいた方が余裕を持って景色を楽しめます。
大田市駅では多くのお客さんが乗ってきました。
ここからは石見銀山へ向かうバスもあって、観光客にとっても重要な駅です。
再び途中では日本海に近づく区間があり、この辺りはトワイライトエクスプレス瑞風が速度落として走ります。
出雲市駅に到着しました。
ここでは結構多くのお客さんが乗ってきまして、1両の自由席はほとんどすべてのセットが埋まったように思います。
出雲市からは特急やくもも岡山まで走っており、隣のホームにはスーパーおき4号を追うようにして出発するやくも26号が停車していました。
そのため出雲市から伯耆大山までは電化され、線形も良いため更に速度を上げていきます。
ついに120km/hを越え、ますます迫力を感じられてきました。
宍道駅に到着しました。駅には右に見えるようにトワイライト瑞風用の出入口もあります。
この先は玉造温泉駅に停車し、それぞれの駅で何人か降りていきました。
左手に宍道湖が見えてくると、車掌さんによる観光案内がなされるのもお馴染みです。
ほぼ冬至の時季で曇っていたため結構薄暗い中の景色になってしまいましたが、すぐ近くを走っているのはお分かりいただけるでしょう。
奥には松江の市街地が見えてきます。
松江では出雲市ほど乗降客はいらっしゃらず、周辺の駅と同程度。
しかし島根県イチの街ですから沢山の建物、ビルが立ち並んでいます。
東松江駅を通過すると、奥には貨物のコンテナが積まれているのが見えてきます。
こちらは東松江オフレールステーションと呼ばれており、貨物列車の代行トラックが伯耆大山駅からここへ貨物を運んでくるのです。
島根県最後の駅、安来駅に到着しました。
どじょうすくいや足立美術館など有名な観光産業が沢山ある街です。
いよいよ鳥取県へ入りますが、ついに飲み物が無くなってしまいました。
途中の僅かな停車時間で買ってくるのはリスキーなので、あと1時間ほど我慢することにします。
鳥取県に入り米子駅に到着、国鉄らしさ満開だった駅舎も現在では工事中です。
伯耆大山駅では伯備線が分岐します。
伯備線を通ってやってきた貨物はここへ集約され、ここからトラックでオフレールステーションやそれぞれの目的地へ向かいます。
また、この辺りでは中国地方一番の山である大山が見えるのですが、流石にこの暗さでは全く分かりませんでした。
外も暗くなってきたのでデッキにやってきました。
フリースペースには山陰地方のパンフレットが並んでいます。
自由席はここでも半分以上お客さんが座っていました。
一方で指定席は結構ガラガラ。これだったら指定席でも良かったかなという感じもします。
お手洗いは1列車に1つ。それなりの広さがありました。
倉吉駅に到着しました。
鳥取県には4つの市(鳥取・米子・倉吉・境港)がありますが、そのうちの1つです。
ここ倉吉駅からは鳥取、智頭急行を経由して関西へ向かうスーパーはくとも発着します。
鳥取大学前駅に到着。
たくさんの大学生がホームで待っていましたが特急に乗ることはせず、後続の列車に乗るようです。
鳥取大学前を出発するところで急停車。
その結果、終点の鳥取駅には数分の遅れで到着しました。
5時間以上も乗車していればどうしても疲れるもの。しかし、山陰海岸や宍道湖の景色を眺めながら快走していく様子がとても楽しい特急列車でした。
今度はせっかくなら日の長い時季に乗ってみたいなと思います。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。
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