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2020年3月、JR東日本では大きな変化がありました。
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【一番列車】サフィール踊り子プレミアムグリーン乗車記【2020春7】
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しかし常磐線の全線復旧に伴う、特急ひたち仙台行きの復活が一番の出来事だったでしょう。
2011年の東日本大震災によって常磐線の沿線は被害を受けました。特に福島第一原子力発電所事故はその周辺の復興も円滑にさせません。
そんな困難な道のりの中での常磐線の復旧は多くの人々に勇気も与えるものでした。
また、2020年3月に千葉発南小谷行きの特急あずさが廃止されたことによって、入れ替わるように品川発仙台行きの特急ひたちがJR東日本で最も長い在来線昼行特急となりました。
東京駅を出発。
この列車は品川駅始発のため、全区間乗車するわけではありません。
東京の大きく発展した町並みを通過してゆくのは気分の良いものです。
上野駅に到着しました。車内からは象徴とも言えるであろう駅舎が見られます。
上野駅を出発すると長い長い停車駅の案内。
停車駅
水戸,勝田,大甕,常陸多賀,日立,高萩,勿来,泉,湯本,いわき,広野,富岡,大野,双葉,浪江,原ノ町,相馬,仙台
その後には座席未指定券の案内がされるのですが、停車する度放送されるので、もういいよと言いたくなります(笑)
もちろん毎回してもらえる方がありがたいんですけどね…。
それぞれの座席の上にはこのようにランプがついていて、座席未指定券のお客さんはそれを確認して席に座ります。
赤が空席、黄色がもうすぐこの席を指定した人が来ますよ、緑は指定している人がいますという案内。
普通色が逆じゃないかと言われていますが、その通りだと思います…。
今回は指定席にしましたので僕の席は青色、お隣は空席の赤色になっています。
列車は日暮里駅から常磐線に入りました。
右手には東京スカイツリーが見えてきます。世界で二番目に高い人工物、近未来的な外観は東京の都会らしさを感じさせてくれます。
この先北千住駅から日比谷線と直通する東武の列車の横を走ります。
東京周辺では色んな会社同士が直通運転を行っているので、他所から来た人にとっては訳が分かりません。
そんな直通運転の波は常磐線にも押し寄せてきます。
お隣を走っているのは東京メトロ千代田線。
綾瀬から先、常磐線の我孫子や取手まで直通します。
特急ひたちでは途中のいわき駅まで車内販売があります。しかし近年の縮小によって品数もかなり減ってしまいました。
という訳で東京駅で色々買っておきました。
まずはカロリーメイトから。やはり長距離の乗車なので大きなお弁当は後に取っておきたくなります。
列車はアパートなどの立ち並ぶ所へ入ってきました。東京などへ通学する方々が多く住む街です。
常磐線には貨物列車もやってきます。東北本線と並行して貨物の動脈ともなりました。
この日はサンライズで夜ふかししていたので眠ることに…。
しばらくすると水戸駅に到着しました。
上野駅を出てから66分ぶりに扉が開きます。
ここで沢山降りるのかと思ったらそれほどいらっしゃいませんでした。
ここから先は停車駅が多くなっており、早速お隣の勝田駅に到着します。
次に停車する大甕(おおみか)駅はかなりの難読駅。
2005年に廃止されましたが、日立電鉄線がここで接続していました。
そろそろお昼ごはんにしたいと思います。
今回は糸を引っ張って温めるタイプです。
せっかく仙台へ行くので牛タン弁当にしました。
牛タンの焼き肉らしい風味と麦飯が合って、更にどちらとも食感に特徴があるものです。
列車はだんだんと海に近づいてきました。常磐線を北上していくと広々とした太平洋が見え始めます。
日立駅に到着。
この駅の橋上駅舎からは綺麗な海を眺められることで有名です。
しばらくすると海に結構近づいてきます。真横を走ることはありませんが、ただ遠くへ見渡せる太平洋の景色が広がるのです。
勿来駅に到着。
遠くに見えるのは勿来の火力発電所です。
泉駅からは福島臨海鉄道が分岐しています。その終点の小名浜駅は津波の被害を受け、駅は移転されました。
その移転前の駅跡地にはイオンモールいわき小名浜が作られ、そこへ向かう無料シャトルバスも運行されています。
いわき駅に入っていきます。
ダイヤ改正前まではここ、いわき駅まで特急が走っていました。
この特急のメインはここから先、仙台までです。
いわき駅の前にはショッピングモールやビジネスホテル、マンションなどが立ち並んでいて、水戸駅前同様に発展している様子が見られます。
ますます列車は海に近づいてきました。見た目には本当に穏やかな様子で、この海が街を一変させてしまったとは思えません。
広野駅に到着、ホームの色や駅前の様子からも相当新しく整備されている様子が伺えます。
今後もお仕事等で来られる方もいらっしゃるのでしょう。
2019年に臨時駅として開業、翌年には常設駅へ格上げされたJヴィレッジ駅を通過します。
Jヴィレッジはサッカー向けのナショナルトレーニングセンター。震災後、原発事故の対応拠点となっていましたが、2018年からだんだんと活動を再開していきました。
しばらくするとショベルカーやトラックが見えてきて、除染作業が行われている様子がだんだん見えてきます。
富岡駅に到着しました。
常磐線で最後の復旧区間となったのはこの先です。
ここから列車は帰還困難区域へと入ります。
土が入っているであろう袋なんかも見えてきました。
大野駅は原子力発電所まで歩けるほど近いところです。そのため駅から行ける場所はほとんどありません。
除染されているのは線路脇と駅周辺だけで、復興への道のりはまだまだ遠いのだと感じさせられます。
線路の右側にはアスファルトが敷かれていて、BRTのようになっています。
これは列車に何かあった時この道路を使ってバスなどで輸送する為のものです。周辺の道路はまだ除染が住んでいない場所も多いため、このようなものが作られています。
双葉駅にはコミュニティーセンターも併設されています。
浪江駅に到着しました。
駅周辺にはお店があったり、駐車場に車が停まっていたりして人は戻ってきているのかなと感じます。
最後の復旧区間となったのはここ、浪江駅まででした。
当時小学生ながら覚えている、何度もテレビから聞こえてきた町に鉄道で来られていることは嬉しいことです。
一方で、10年の年月をかけても復興はまだこれからという現実を目の前にすると、何とも言えない気持ちになります。
この列車の走り始めたことが復興へ向けた一筋の光になれるのか、それはまだ分かりませんが、それを期待するしかないのかもしれません。
列車は原ノ町駅に入っていきます。
かなり駅構内も広くなっていて、途中の中心的な駅です。
ダイヤ改正以降、E531系の運用も原ノ町駅まで拡大しました。
原ノ町駅では独特の駅メロディーが流れます。
西の空はだんだんとオレンジ色になってきました。
最後の途中停車駅、相馬駅に到着。
しかし途中では運転停車がされ、反対方面の品川行き特急ひたちと行き違います。
岩沼駅も通過し、常磐線から東北本線へ入りました。
いよいよ仙台の市街に入ると遠くには高いマンション、東北一の都会の様子が感じられてきます。
17:26、終点の仙台に到着。
東京から在来線特急に乗っていただけで、雪の降る仙台までやって来ることができました。
目に見えない放射線に向かう人々やJR東日本、沿線住民の方々をはじめとして多くの人たちによって復活した仙台行きの特急ひたち。
今回は乗り通すだけでしたが、浪江や大野など途中の駅でも降りてみたいと感じるところです。
この列車は折返し、品川行きとして出発します。
このまま再び東京へ向かうというのもすごいこと、品川に到着するのは22:53着です。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。
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