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【国内最速】青ソニックのパノラマキャビンから徹底解説 883系グリーン車乗車記[2304かささぎ(3)]
九州で一番の俊足を誇る、特急ソニック。 博多から大分を結ぶ特急列車で、多い時には30分に1本の頻度で運行しています。 使用される車両は青い883系と白い885系。 最速達便は885系白い ...
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九州島内の主要都市である大分市。中心駅の大分駅にも、JR九州のアミュプラザを核とした大きな駅ビルが構えています。
これから向かうのは西日本の主要都市、大阪です。
大分から大阪まで行くのであれば、おそらく鉄道が一番速い交通手段です。
特急ソニックで小倉駅まで行き、山陽新幹線に乗り換えて新大阪駅。4時間〜4時間半の道のりですが、大分空港が遠くにあるため鉄道に分がある状況です。
本日ご紹介する交通手段は、陸路でも空路でもありません。
別府港〜大阪港を結ぶフェリーさんふらわあ。瀬戸内海の海上を、まるで高級ホテルのような空間が一晩かけて航行します。
乗船するのは2023年に導入された、新造船「くれない」です。
ちょうど京都の立命館大学へ登校するのにピッタリだったので、ゆったり1限へ向かう様子と共にお届けします。
まずはJR日豊本線の普通列車に乗車します。
大分駅16:30発の普通列車で、フェリーターミナルへ向かうのにちょうど良い便です。
あまり車窓に注目していませんでしたが、車窓には別府湾が広がり非常に綺麗です。
これからあの海上を進むんだなと期待感が膨らみます。見逃したけど。
16:42、別府駅に到着です。
温泉地として日本一の知名度を誇ると言っても過言ではなく、どこかの部族の小屋みたいなところで手湯を楽しめます。
バンザイした特徴的な銅像は油屋熊八。別府を温泉観光の街として発展させた張本人であり、別府港に桟橋を作ったことで、今回利用するようなフェリーが就航するようになりました。
駅前にはこの通り、フェリーさんふらわあの広告が出ています。トラックによる貨物輸送が主のフェリーですが、こちらは大阪へ旅客の足として親しまれる交通機関です。
別府駅から別府港フェリーターミナルへは、バスで向かいます。
5番のりばで待ちまして、16:50発の便に乗車です。
別府駅を出発する時には、大分行きの特急ソニックが停車中でした。
まだまだ今日中に大阪へ帰れますが、急ぐ移動ではありません。
右手には中心街のシンボル、別府タワーが見えてきました。
名古屋テレビ塔、通天閣に次いで、国内3番目に建てられた高層タワーです。2023年にかけて大規模改修が行われ、1957年完成当時の色になり、高さ100mへ復元。別府中心部のシンボル的存在です。
別府港には2つのターミナルがあり、まず見えてくるのは宇和島運輸。
四国は愛媛県の八幡浜港まで結んでおり、夜行便もあって便利です。
その奥にあるのが、さんふらわあ別府港。
フェリーさんふらわあターミナル別府前のバス停で下車します。
別府港フェリーターミナルもまた、2022年にリニューアルしています。
スタイリッシュで清潔感のある建物、閉鎖的なイメージもあるフェリーですが、これなら非常に親しみやすいです。
まずは発券カウンターにて、乗船券の発券を行います。予約はインターネットでも可能で、その点は非常に安心です。
こちらが乗船券となっていまして、今回利用するのはプライベートシングル。料金は12,040円です。
別府港フェリーターミナルから歩いて3分位のところには、ローソンがあって便利でした。
フェリーの写真を撮るのはなかなか難しいですが、その大きさを思い知らされます。
総トン数は17,114トンで以前の約1.9倍、内装面積は8,300㎡で約1.7倍になりました。日本初の液化天然ガス船です。
ターミナルにはお祝いの蘭が飾られており、「こばると丸」の模型も並んでいました。関西汽船が運航した客船で、前身から歴史ある航路というのを今に伝えます。
また、いくつか空港みたいな充電スポットがありました。
出港60分前が目安となる乗船手続きですが、充電の心配なく退屈しません。
17:45頃、乗船開始になります。
乗船券のチェックを受けまして、この先のエレベーターで昇る形です。
エレベーターホールよりボーディングブリッジを渡りまして、いよいよ船内へ!
最初にお出迎えされるのが、3階分を広くくり抜いたアトリウム。
中央の階段は鮮やかに彩られ、騒がしすぎず程よい豪華さです。
乗船時に足を踏み入れたところは6階、今回利用するプライベートシングルがある7階へ上がってきました。
格子には正六角形の麻の葉模様が使われています。その成長の速さから、江戸時代には多くの子供服で使われた模様だそう。
さんふらわあの今後の発展について願いを込めたのでしょうか。
それではプライベートシングルのお部屋へ向かいましょう。
フェリーに乗ると最初の地点が何階か分からなくなりますが、この船は6階が最初の地点です。迷っていたら乗務員さんに声をかけられるのではと、ソワソワするやつ…。
7501、7502号室がプライベートシングルとなっており、その番号から分かるとおり7階に位置します。
廊下には戦前感溢れるポスターが貼られており、親しみやすい「さんふらわあ」の名前からは想像できないような歴史の長さです。
今回は7501号室、2枚並んだ扉のうち奥の方です。
乗船券に印刷されたQRコードを、ドアノブの読み取り部にかざしてロック解除します。
これが部屋の鍵になっているんですね。
中に入りますと、カーテンで閉じられた空間が9部屋並んでいます。
ドミトリーと非常に似たもので、完全なる個室ではありません。
カーテンを横へ引いて中へ入りますと、ビジネスホテルと変わりないベッドが備えられています。
空間としてはホテルと比べてしまえば狭いですが、1人で過ごすには十分広いスペースです。
鍵について外から閉めることはできませんが、中からなら閉めることができます。
外へ出る時は貴重品の管理が必要な一方、寝ている間は安心です。
テレビの上に貴重品ボックスが備えられているので、これも活用できます。
確かに個室ではないですが、完全に外からの目は遮断されるので、十分プライベート性は確保されていました。
備えられているアメニティは、テレビ視聴のためにも必要なイヤホン、歯ブラシ、タオルです。
そして室内用のスリッパもありまして、これがかなり丈夫なもので驚きました。
新幹線のグランクラスで貰えるものよりフカフカしていて、日常的にも使えます。
コンセントとUSB充電ポートが1口ずつあるので、翌日そのまま旅行を続けたり、仕事があったりでも安心です。
外には簡単な洗面台が備わっており、ちょっと手を洗うくらいならここでも済ませられます。
顔を洗ったり等はお手洗いに大きなものがあるので、そちらを使うことになるでしょう。
長距離フェリーの楽しみのひとつ、それが食事です。
6階にレストランがありまして、夕食と朝食それぞれビュッフェをいただけます。
夕食17:45〜21:00(日〜木)/18:30〜21:30(金・土)
朝食5:30〜6:30(日〜木)/6:00〜7:30(金・土)
夕食ビュッフェは大人2000円。こちらの機械で前払いとなっており、クレジットカード等の利用もできます。
ビュッフェ会場は中央部分に設けられた区画に位置しており、かなり広々しています。
鰊マリネ、冷製バンケットチキンなど、野菜を中心としたメニューも食材のバリエーションが豊か。
ウインナーは鹿児島茶美豚を使用しており、九州の食材を意識したものです。
国産牛使用の赤ワイン煮は非常に柔らかく、噛むごとに香り立って美味しかったです。
唐揚げやカニクリームコロッケなど、お子さんに人気のメニューも。
讃岐うどんがあるのは結構面白かったです。
色々取ってきて華やかになるのも楽しみのひとつ。ボリュームある唐揚げからお刺身やマリネまで、かなり豊富でした。
さんふらわあカレーは名物になっているそう。しかし、カレーに気を取られると他がお腹に入らなくなるので、気をつけて…。
中でも惹かれるのが、大分の郷土料理りゅうきゅう。
まずはご飯の上に、醤油ベースのタレを絡めたお刺身を乗せます。
漬けられたお刺身とご飯が合わないはずがなく、ワサビや柚子胡椒などを載せると、香りが舞ってアクセントに。
さらに、漬物や出汁をかけた「りゅうきゅう茶漬け」もオススメです。
こうなっては、もういくらでも食べられちゃいそうです。こんな贅沢すぎるお茶漬け、美味しいに決まってますよね。
デザートや飲み物の種類も豊富です。
アイスクリームは、ほうじ茶、バニラ、九重高原かぼすシャーベットの3種類が揃っています。
さらに、チョコレートフォンデュがあるのは本当に驚き。揺れが少ない瀬戸内航路だからこそ成せる訳です。
スイーツやケーキの盛り合わせも、彩豊かで華があります。
フワフワの抹茶パウンドケーキに、主張の強いガトーショコラも、それぞれ非常においしかったです。
今日は飲みませんでしたが、ビールサーバーもあって結構な人気。
お酒については他にも結構な種類揃っていて楽しめそうですね。
ネットカフェでいつもお世話になっている、ドリンクバーをいただきました。
レストランで夕食をとっている間、18:45に別府港を出港しました。
時間が経つと混雑してしまうので、出港前からレストランに来ていた方が余裕がありそうです。
お隣の宇和島運輸ターミナルを通りすぎまして、別府港を離れます。
九州と四国を結ぶフェリーとして代表的な航路ですから、ぜひこちらも乗ってみたいですね。
別府市街も楽しめまして、ちょうど日がくれる頃、別府タワーのライトアップも非常に綺麗でした。
流石に湯けむりを見るには暗いですが、別府に朝到着する航路なら見られるかもしれません。
別府湾からまっすぐ四国方面へ向かっているところ、工業の盛んな大分の光が九州最後の景色となります。
レストランから自分の部屋へ戻りまして、だいぶ寝てしまっていました。
時刻は23:50、船内は22:00消灯のため暗くなっていまして、乗客は年配の方が多くお休みされています。
陸地に挟まれた瀬戸内海を通っているため、ほとんど揺れは感じません。
また、密閉された個室では厳しいですが、ロビーへ出て来ればスマホの電波も十分通じます。
既にしまなみ海道を潜ってしまいましたが、展望デッキに出てくると僅かに橋の灯りらしいものを見られました。
瀬戸内海の小さな島々に立つ灯台を観察しつつ、冷たい夜風に当たります。
真夜中に通過する瀬戸大橋を見てみたいと思い立ってしまい、ついつい深夜1時過ぎまで起きて香川県近くへ来ました。
電波が通じているのが本当にありがたいところ。こちら多度津、丸亀沿岸部の工業地帯になります。
もう少し先へ進むと、瀬戸大橋へ登っていく高速道路を見られました。
おそらくJR本四備讃線とJR予讃線による、宇多津駅構内のデルタ線あたりと思われます。
反対側を見てみると、与島の明かりを見られます。
瀬戸大橋は途中の島々を介して本州まで渡されており、これらで降りることができるバスも存在します。
1:38、遂に瀬戸大橋の下をくぐりました。
いつもマリンライナーや特急サンライズ瀬戸で渡っている瀬戸大橋。こんな立派な橋だったのだとその姿に圧倒されます。
橋の真下に公園があるので行ってみたいですが、その前にフェリーで下を通って大きさを実感できたのも良かったです。
香川県側の埋立地には工場が発展しており、寝台特急サンライズ瀬戸の明かりを消した個室から見るのが楽しいです。窓越しでない船からであれば、割と実際の景色に似た明かりを示せました。
わざわざ瀬戸大橋を見るまで起きていて良かったと思いつつ、そろそろ寝ることにしましょう。
このように室内全体とベッドライトが分かれており、何も言うことが無い立派な個室です。
布団に潜り込みまして、おやすみなさい…。
時刻は朝5:00、明石海峡大橋を見るために展望デッキへ出てきました。
さすがに深夜の瀬戸大橋を見ていたのは僕1人でしたが、明石海峡大橋は数人ほど早起きして見に来られていました。
ちょうど船内の灯りも明るくなりまして、おそらく5:00がそのタイミングなのでしょう。
すぐそこには神戸市舞子地区に広がる街並みを観察でき、ここからだと細々とした建物に橋がどんと架かるのは存在感がすごいです。
阪神の港へは多くの貨物船が行き来しており、当時世界最長の吊り橋が出来上がりました。
舞子駅近くのプロムナードを通ったこともあり、その大きさを知ってはいましたが、このようにゆっくり通っていくのは違った楽しさを見出せます。
東の空は非常に明るかったですが、反対側は大分暗いまま。サンフラワあの太陽だけが紅く輝いています。
淡路島側のSAには観覧車が見え、ハイウェイオアシスです。
昨日は寝てしまって入れなかった、展望浴場へ。
営業時間は、出港〜23:00/5:15〜入港(日〜木)、出港〜23:00/5:30〜入港(金・土)です。シャワーについては24時間利用できます。
フェリーの大浴場にしてはかなり広く、混雑を感じませんでした。
レストランの他にショップもありまして、ここでご飯を買ったりすることもできます。
出港〜21:45/5:30〜6:30(日〜木)
出港〜22:00/6:00〜7:30(金・土)
お土産品を中心としている他、飲み物やアイスクリームなども取り揃えていました。
お風呂上がりにアイスクリームを。
本当は朝食ビュッフェをご紹介しようと思いましたが、ちょっと時間的に厳しかったのでまたの機会に…。
大阪港には6:35入港、遂にお別れです。
ダラダラと過ごしていられるこの空間、もっとここにいたいと思わされる居心地の良い場所でした。
トラックの大きな荷物が集まっており、重要な港であることを示されます。
乗用車の方から順番に下船されまして、次に徒歩客がボーディングブリッジを通っていきます。
新造船の導入により、ゆったりした時間のすぎる船旅が一層楽しくなりました。
大分から大阪の選択肢の一つにぜひ加えて頂きたいと思います。
大阪港から中心部へのアクセスをご紹介しつつ、京都は立命館大学へ登校しましょう。
大阪港はニュートラム南港ポートタウン線のトレードセンター前駅と隣接しています。
1駅先のコスモスクエア駅まで行きまして、OsakaMetro中央線に乗り換えます。
弁天町駅でJR大阪環状線に乗換、7:30には大阪駅に到着できます。
今回は投稿しなければならないため、7:34発の新快速電車に乗車します。東海道本線の無料特急さえあれば、もう安心です。
毎朝混雑するJR嵯峨野線、2023年春から導入された関空快速車両に乗り込みます。
円町駅からは当然のように、20分ほど歩くことに。
隣を立命館大学行きのバスが駆け抜けますが、1限に間に合えば良いのです。
そして無事、9:00前には到着。
前日家へ帰って朝起きるよりも、夜行の乗り物で起こされて大学まで移動している方が、目が覚めて良いですね。
「エクストリーム登校を日常に」を公約にしてみたいです。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。
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