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【呑み鉄観光列車】日本酒楽しむ越乃Shu*Kura乗車記 青海川の日本海も![新潟観光列車(3)]
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新潟地区の鉄道を取りまとめる駅、新津駅に来ました。駅舎には蒸気機関車が描かれており、これから乗るSLばんえつ物語号の出発地点にもなっています。
SLばんえつ物語号は1999年から運行を開始した、歴史ある蒸気機関車。
新潟駅まで乗り入れていましたが、高架化されたことで勾配を登ることが難しくなり、2017年から新津発着に変わりました。
今回利用するのは1両だけ連結されている、最後部のグリーン車です。2013年、改造によってデビューしました。
列車は既に黒い煙を立て、ホームに居座っています。
正面に向かって煙を撒き散らしており、小さい子供にも容赦がありません(笑)
1003 新津駅 発
ホーム上のベンチにはSLばんえつ物語号のキャラクター、オコジョのオコジロウとオコミが座っていました。
左右には西洋風の街灯が灯されており、非常に雰囲気が良いところです。
先端部では沢山の方々が手を振って、お見送りしてくださいました。
やっぱり蒸気機関車は小さな子供にも人気なのですね。
今回利用するグリーン車、一番の目玉は最後尾の展望室です!
一面ガラス張りの空間から、風へと消えていく機関車の煙と共に磐越西線の景色を楽しめます。
もちろん座席もフカフカで快適!
ワインレッドのモケットからは、貴賓室的な伝統的 高級感を感じられます。
新潟のサッポロビールを飲みながら、SLの旅が始まります。
最初の停車駅は、五泉駅。
新潟へのベットタウンという面があり、磐越西線もここには大きな需要を持っています。
どうやら新築を建てる前、地鎮祭を行っている方でも、こちらに手を振ってくださいました。
野球の練習中の小学生もこっちに駆け寄ってくれて、この列車が本当に大切にされていると感じさせられます。
早出川を鉄橋で渡っており、いつもより重厚な走行音が素敵です。
馬下駅にて普通列車と行き違い。あちらは最新型電気式気動車のGV-E400形です。
ホームにはレンガ積みのランプ小屋が立っていて、駅全体の歴史をより深いものにしてくれます。
ここから磐越西線は、阿賀野川に沿って走ります。
草むらの中には撮り鉄さんがいらっしゃって、カメラを向けていました。こんなところまで登ってくるなんて、本当にすごいですね…。
咲花駅近くには咲花温泉があり、五泉市で一番の観光地です。
ネオンで照らされそうな赤い筆文字の看板に、温泉旅館の良き古さを見いだせます。
停車位置目標はきかんしゃトーマスみたいな、SLの絵柄になっていました。
SLばんえつ物語号の停車駅には、レトロチックな駅名標があります。赤レンガ地区なんかにありそうな看板です。
蒸気機関車はトンネルに入るとき、窓を閉めておかなければ大変なことになります。
その理由は長いトンネルを抜けると明らかに。
蒸気機関車が通過すると、出口からは真っ白な煙が逃げ出してきます。
もう遠くから見たら山火事レベル、この光景は中々見られるものではありません。
磐越西線は上越線が無かった頃、東京から新潟への路線としても活躍しました。
トンネルは近代的なコンクリート造とは異なって、石積みで馬蹄型をしています。
馬は走って越えられませんが、列車は御前橋梁で悠悠と川を渡ります。
阿賀町に入りまして、三川駅に到着。
駅名標に見慣れない字体で右から書かれると、線を並べただけの古代文字みたいです(笑)
列車は引き続き阿賀野川沿いを走ります。
窓も大きく、天井の照明デザインも凝っていて、非常に面白いですね。
車掌さんによる検札では、オリジナルのスタンプを押してくださいました。これは本当に記念になります。
津川駅に到着しました。
ここでは蒸気機関車の給水のため、15分停車します。
ホーム上にはその待ち時間を楽しませてくれる、オコジロウの家が立っています。この中は特にお子さんが楽しめる、キッズスペース的な空間です。
炭水車の上では、石炭の山をスコップで機関車の石炭庫に入れ、走行中焚べられるようにしています。
その他、動輪部分ではオイルを注入。
蒸気機関車は運行中でもこういった整備が必要で、本当に大変なことだと分かります。
津川は狐の嫁入り行列というお祭りでも有名です。可愛らしい狐さんが居座っていました。
この間に普通列車と行き違います。
機関車の準備も整いまして、津川駅を出発。
駅前には大型バスが停まっていたので、おそらく団体のお客さんがここでお見送りしてくださいました。
列車が出発する時には特に黒煙を上げるようで、駅の周辺の空気は何十年も前の懐かしいものになっていそうです。
深戸橋梁は1983年、日本で初めて落下式の架け替え方式にて新しいトラスになりました。
古いトラスは、ジャッキで横に押し出すようにして落下。予めすぐ横で作っておいた新しいトラスを、横に滑らせるというものです。
平瀬トンネルは2006mに及ぶ、磐越西線最長のトンネル。
こちらの出口上部には、後藤新平による文字で「宝蔵興焉」(…蔵が開かれて財貨が増えるの意)と刻まれています。
後藤新平はJR九州のD&S列車いさぶろう・しんぺいの由来でもありますね。
当麻橋梁は現在走っている鉄橋の横に、橋台が残っています。これは鹿瀬ダム建設により橋桁下部が浸水する恐れがあったためで、1929年に現在の橋が作られました。
初代のトラスは秩父鉄道にて活躍しています。
日出谷駅は七色の汽笛が響く駅。
そのネーミングセンスには疑問符が浮かんでましたが、確かに美しい汽笛を鳴らして、ゆっくりと動き始めます。
グリーン車は窓を開けることができませんから、ちょっと普通車にお邪魔しました。
先頭からモクモク煙を立てる姿を観察できます。美しい音色とは対称的に、勇ましさを感じるものです。
グリーン車もその空間を楽しむにはもってこいですが、SLならではの香りや景色の迫力などを直に感じたいなら、普通車も良さそうですね。
5号車には物販カウンターがあります。
最初のサッポロビールもここで販売していたもの、その他グッズも取り揃えています。
メニューはこちらから。グッズの種類がかなり豊富に思います。
今回は、こしひかりジェラートを選択しました。
お米のつぶつぶ感があって、しっとりした味わいを楽しめます。
徳沢橋梁を渡り、新潟県から福島県に入りました。
葉っぱが生い茂る、阿賀野川の渓谷っぽいところも楽しめます。
阿賀野川には上野尻ダムが建設されており、いくつかの仕切りで分けられた構造です。
展望室からお客さんがいなくなったので、広々とした空間をお伝えします。
SLと言ってイメージする漆黒を用い、これによって流れ行く景色をより目立たせています。
ベンチ下のぼんやりした光は、トンネルに入ると非常に幻想的でした。
天窓も取り付けられているので、空に浮かぶ煙まで臨場感たっぷりです。
室内にはSLに関連した展示品が置かれていて、一つ一つ見て回るのも楽しいです。
野沢駅には西会津町発祥の工芸品、赤べこがいました。
なんとも言えない表情と、派手な色合いが可愛らしいですね。
荻野駅の先には線路沿い、どこか夏を感じさせる黄色い花々が咲き誇ります。
阿賀野川には漕艇場があって、この日もボートが沢山見られました。
山都駅では再び機関車整備のため、10分の停車。
ここでも炭水車の上に登って、作業していらっしゃいました。
機関車の側面には色々文字が刻まれており、これも蒸気機関車のシンボル的です。
山都駅のホームにも、ランプ小屋が佇んでいました。
一ノ戸川橋梁はSLばんえつ物語号の撮影地、撮り鉄さんが沢山見られます。
445mもの長さで、建設当時は東洋一と呼ばれました。
これだけの長さの間にトラス橋や架線柱など車体を遮るものが一切無いので、撮影地として人気なのです。
列車は緑の車窓を駆け抜けており、まるで光のように差し込んできました。
天井の照明にはオコジョのシルエットが描かれているので、車内にまで自然が入り込みます。
雲に隠れていますが、福島のシンボルとも言える磐梯山が現れました。
とにかく喜多方ラーメンで有名な、喜多方駅に到着。
会津若松とセットの観光地として捉えられ、フルーティアふくしまや会津鉄道からの直通列車も走ります。
喜多方駅からは頭上に1本の線、架線が現れました。パンタグラフで上から電気を摂る、電車が走るのです。
この区間に電車が乗り入れていたのは、郡山発喜多方行きの直通列車です。
しかし、2022年春にこの直通列車は廃止され、会津若松駅で系統分割。会津若松〜喜多方駅はディーゼル列車しか走っておらず、電化設備を撤去するものと思われます。
山の中を駆け下りまして、最後は田んぼの中を軽やかに走行。
最後に会津若松駅到着の放送が流れます。
郡山から来た磐越西線に向かって、並走していきました。
会津若松駅に隣接した車庫を横目に、終点に到着です。
1335 会津若松駅 着
新津駅から3時間半、高級感と特別感を醸し出す空間から、蒸気機関車の旅を思う存分楽しめました。
現代よりもSLが走っていた頃の最高級を演出しており、時代背景を壊さない素晴らしいものです。
展望車両は鉄道ファンだけでなく、一般の人々でも特別感を感じさせます。その空間は期待を裏切らないものでした。
機関車は一度駅構内から引き上げ、もう一度新津方面へ向かいます。
鉄道の原点であるこの雄姿、ぜひもう一度目に焼き付けたいと思いました。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。
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