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【観光列車の先駆者】新型車両まで製造!ゆふいんの森Ⅲ世乗車記[36ぷらす3長崎(2)]

2022年5月31日

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JR九州と言えばD&S列車、そんな風に連想してしまいますがいかがでしょう。

観光列車王国とも呼ばれる九州では、乗るだけで面白い列車が各地で走っています。

やって来ましたのは西日本を代表する温泉地としても名高い由布院です。

 

今回はJR九州の幕開けと共にデビューした列車、特急ゆふいんの森をご紹介します。

 

特急ゆふいんの森は1989年にデビュー。

国鉄民営化により3島会社の一つと扱われたJR九州は、この列車の運行開始と共に鉄道を軸とした経営を広げていきます。

 

特急ゆふいんの森は、ヨーロッパの保養地へ向かう高原列車をコンセプトとしています。

今回乗車するゆふいんの森Ⅲ世は、1999年に完全な新車としてデビューしたキハ72系です。

列車の特徴は全車両がハイデッカーという構造。

高い所から見下ろし、遠くまで見渡せる特別感を演出してくれます。

 

車両の間は毎回階段を降りる必要が無いよう、橋が架けられています。

 

2015年には需要に合わせて4号車が増備され、この号車に扉が無いことからフリースペースが作られました。

足元まで大きな窓となっているため、小さな子供でも景色を楽しめます。

 

デビュー当初から女性客をターゲットにしており、木材を中心にモダンな雰囲気を感じ取れます。

ゆふいんの森I世の方はレトロチックな内装で、ヨーロピアンというのはそちらの方があるでしょう。

 

背面テーブルの他にインアームテーブルも備わっていますが、少々簡素な感じです。

1208 由布院駅

停車駅は、豊後森,天ヶ瀬,日田,久留米,鳥栖,博多です。

 

久大本線は大分~久留米を大体一直線で結んでいますが、由布院駅の前後だけヘアピンカーブのようになっています。

 

(地理院地図を改変)

由布院は鉄道を温泉街に近い中心部へ引いてもらおうと、大きな誘致活動を行いました。

このカーブは誘致に尽力した衛藤一六氏の名をとって、一六曲がりと呼ばれています。

 

列車はどんどん山の中へ。久大本線は1年おきに災害で不通になっているような路線で、沿線では崩れてしまったブルーシートも見られました。



3号車のビュッフェに来ました。

ビュッフェと言っていますが、売店の方が正しいと思われます。

昔はあんかけ焼きそば等が販売されていて本当にビュッフェだったのですが、それが無くなってしまったのは少々残念ですね。

 

それでも由布院や大分らしさを感じられる軽食やデザート等を楽しめます。

左上のクラッフェンは、由布院ミルヒによる油で揚げない焼きドーナツです。

 

グッズメニューもこのように揃っています。

 

車両には工芸品も展示されています。

由布院に限らず温泉地では、温泉以外の楽しみとしてガラス博物館が有名になります。

 

野矢駅で運転停車が行われ、特急ゆふいんの森3号とすれ違いました。

 

今回はJR九州ファームによる『うちのたまご』を使ったアイスを買ってきました。

鉄道会社が農業もするというのも、JR九州らしさが出ています。

 

豊前中村駅は昔話に出てきそうな立派な駅舎が立っています。

 

恵良駅からは1984年に廃止された、宮原線が分岐していました。

この路線は肥後小国駅までしか走りませんでしたが、熊本県菊池を経由し、佐賀まで至る壮大な未成線を形成する一部です。



豊後森駅に到着する前、左手に見えてきたのは豊後森機関庫です。

非常に歴史を感じる壁面には緑が侵食しはじめ、何とも言えない風情があります。

 

機関庫と転車台は国の登録有形文化財にもなっており、是非とも降りてみたいところですね。

 

駅を発車しても、左手にはプリンみたいな形の伐株山が見えてきます。テーブル状の台地で、メサと呼ばれる地形です。

標高の高い部分がもろい地質のため、風によって削られることで出来上がりました。

 

この時はゴールデンウィーク明け間もなかったこともあり、頂上では鯉のぼりが泳いでいました。



ゆふいんの森は観光列車というより、特急列車の色が強いです。

しかし慈恩の滝で徐行してくれて、この点は観光列車らしくなっています。

 

天ヶ瀬駅に到着。

ここには別府、由布院と並んで豊後三大温泉のひとつ、天ヶ瀬温泉があります。

 

列車では売店販売の他、ワゴン販売も行われます。

これは車両間に橋が架けられたことで階段の上り下りが無くなり、開始されました。

 

黒を基調としたシックなデザインの、日田駅に到着しました。

ここは筑後川の水運によって、林業で栄えた街です。

 

そして反対側からは『或る列車』がやって来ました。

この時は博多~由布院での運行、金ぴかの車両からは神々しさを感じます。



夜明駅を通過しました。

2017年夏の九州北部豪雨で不通となっている、日田彦山線が分岐していきます。

BRTひこぼしラインとして復旧し、2023年夏ごろから運行再開予定です。

 

四国の四万十川でよくみられる、沈下橋が架かっていました。

欄干を作らないことで増水時にも水の流れをやり過ごし、崩れにくくします。



福岡県に入ると、30kmに渡る耳納連山に沿って走り続けます。

パラグライダーの発進基地もあるそうで、山の向こうがお茶で有名な八女市です。

 

ゆふいんの森に乗ると、このような飴をいただけます。

何の味かは難しいのですが、サッパリした甘さです。

 

人口30万人を有する九州第3の街、久留米市街地を走ります。

 

西鉄の高架橋と交差した直後、九州新幹線と並行する方へカーブ。

3つの線路が立体交差しますが、どれも繋がっていないというのが面白いですね。

 

新幹線の高架下を走り、今回は久留米駅で下車します。

 

この列車は鹿児島本線を通り、博多駅へ向かいます。

 

特急ゆふいんの森は観光列車の先駆けとも言える列車で、長い間の人気によって現在まで至ります。

移動の間にまで持ち込まれる観光を、ぜひ体感してみてください。

 

今回もご覧いただき、ありがとうございました。

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