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『特急並み快速』を福井~敦賀で運行?福井県の三セク鉄道はどこへ向かうのか

2024年春に敦賀まで延伸が予定されている北陸新幹線。これによって北陸本線(敦賀~金沢)は第三セクターに移管されます。

これまで福井県はJR西日本に大阪~福井の直通特急を存続するよう求めていましたが、最終的に断念することになりました。

大阪から福井へ向かうのに、敦賀駅での乗り換えが必ず必要になります。

 

そこで福井県は第三セクターの敦賀~福井において、特急並みのスピードで走る快速列車の運行を検討しています。

大阪~福井の特急を存続させるには非常に大きな費用がかかります。

福井県が大阪~福井で1日3往復の特急列車を存続させるシミュレーションをしたところ、車両取得費の試算は約80億円。

さらにJR西日本にとっては新幹線の利用客が減少、3セクにとっては人件費、維持費がかさむため、2社合計で年間7億円の減収が見込まれたのです。

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杉本達治 福井県知事は特急存続断念に関して、敦賀~福井の第三セクターで特急並みの快速電車を運行、敦賀駅でJRの新快速とスムーズに連携を図っていく考えを示しています。

つまり、現在の特急利用者のすべてが北陸新幹線に流れないように快速列車の利便性を向上、第三セクター線の収益を十分に確保しようということのようです。

敦賀駅は新幹線ホームの下に特急用ホームを新設、上下乗り換えによって大阪方面との接続を図る構造です。

一方で既存の在来線ホームとはかなり離れており、乗り換えには長い通路を渡る必要があります。

しかし第三セクターとJR新快速は既存ホームで発着するため、第三セクターの快速は大阪発着の特急だけでなく、新快速とも接続させたいようです。

 

福井県は特急が廃止されたことで第三セクターは普通電車中心のダイヤを組めるとしており、増発や利便性の高いパターン化した列車の運行も可能だと強調しています。

また、各駅特急用の長いホームが不要になるため、維持管理費を抑えられるという見通しを示しました。



現在、敦賀~大阪の新快速は毎時1本程度、所要時間は2時間5分です。一方、特急「サンダーバード」は1時間23分程度。

大阪駅~鯖江・福井駅において、新快速と第三セクター快速の乗り継ぎルートは、敦賀駅での乗り換え時間を含めると、現状の特急列車より40~50分かかる計算になります。

JRより第三セクターの方が運賃が高くなることを考えると、そこまでメリットがあるのか疑問が残ります。

 

乗客の対象や需要の大きさに合わせてどのような列車を運行するのか、福井県民にとってより良い形の交通となることを期待したいです。

 

今回もご覧いただき、ありがとうございました。

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