大阪は日本で2番目の大都市圏です。
そんな大都会の場所にまるで秘境駅のような駅があると言います。
やってきたのは南海汐見橋線の木津川駅です。
2両の列車からは3人を降ろして出発。
お客さんの他に駅の清掃を行う、南海の制服を着た方もいらっしゃいました。
ホームから見られるのは広い空き地と高速道路。
大阪の中心地、難波から直線距離で2km、歩いて30分程度でこんな場所に行きついてしまうのです。
今回はこんな哀しい雰囲気をまとった大都会の秘境駅、木津川駅をご紹介します。
まずは今立っているホームを見ていきます。
古くからある駅ではまあまあ見られる、古レールを使ったホーム屋根。
端っこの方は根元部分のコンクリートが欠けてしまっていて、相当ボロボロになっていることが分かります。
駅舎とホームは構内踏切でつながれています。
駅には現在使用されている線路の他、かつて貨物用に使われていた2本の線路が残されていました。
しかしこれらの線路はすぐに切断されており、物理的に利用できなくなっています。
貨物用に使われていたであろう低いホームの名残も残されていました。
木津川駅は大阪府内でもトップレベルで利用客が少なく、1日の利用客数は141人(2019)。
窓口は廃止されていて、インターホンによる案内です。
駅舎は1940年に建てられたもので、そのまま残されています。
新しくつけられた看板が無かったら相当古さが浮き出るに違いありません。
特に屋根の部分は下から見ると骨組みがむき出しになっていて、かなり不気味です。
まだ板が残されているところも腐食が進んでいます。
駅前では物流センターや倉庫がどんと構えており、錆びや落書きなどが目立つところです。
壁面に近づいてみると多くの落書きがされていて、足元にはゴミが捨てられているのが分かります。
調べてみると、かつてはもっと不法投棄が凄かったそうなのですが、この時は既に清掃されたばかりの様子。
しかし近くにはそれらを空き地に集めたと考えられる、シートを掛けられたエリアがあって、そこからは何となく錆びっぽい匂いがしていました。
こちらがパノラマで撮影した駅前の様子。
舗装すらされておらず砂利道で、本当にがらんとしているのがよく分かります。
駅の近くには踏切が設置されています。
やってきたのは乗った列車が折り返してきたもの。
ここで降りていく人はおらず、古びたホーム上屋、駅舎と新しそうに塗装された車両の対比が良いですね。
本数は30分に1本、汐見橋線はほぼ全線複線ですが1本の列車が行ったり来たりしています。
この駅の周りには市営住宅や工場、倉庫があるだけ。
しかし少し大通りに出ればディスカウントストアやファミリーマートもありました。
ここには阪神高速のジャンクションや料金所もあり、鉄道とは裏腹に重要な道路が集まっているところです。
都会から少し離れた治安の悪い雰囲気が感じられる木津川駅。
普通の秘境駅とは異なった不気味さがあります。
その雰囲気は画像から分かるものではありませんから、ぜひ皆さんもいらっしゃってください。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。