北海道 JR

新千歳空港駅の大改造 複線2面4線化・ルート変更について解説

2021年1月8日

 

新千歳空港駅は1992年、新千歳空港ターミナルビルのオープンと同時に開業しました。

元々は千歳空港でしたが発着便の増加に伴って新千歳空港が開港。千歳空港駅であった現在の南千歳駅から分岐するように2.6kmの新線が建設され、新千歳空港ターミナルの地下に設置されています。
しかしこの路線は需要に対してかなり貧弱なものです。

(Mister0124-Own work,CC表示-継承4.0

https://commons.m.wikimedia.org/wiki/File:JR_Chitose-Line_New_Chitose_Airport_Station_Platform.jpg#mw-jump-to-licenseより)

南千歳〜新千歳空港は単線で行き止まりの盲腸線。更に新千歳空港駅ホームは1面2線、長さも6両であり輸送力も乏しくなっています。
そこで考えられているのが新千歳空港の2面4線化とルート変更です。今回はこの2点について中心に紹介していきます。

新千歳空港駅の強化

新しい駅の位置は今の位置から数100m西側で、国際線ターミナルビル近くの地下に造る案が有力とされています。
また、新駅は2面4線以上で、ホームの長さは現在の6両編成より長い列車も停車できるようにするとのこと。現在は新型ウイルスの影響で空港輸送はかなり深刻な状況ですが、増加傾向にあった外国人観光客などを捌くのには輸送力増強が必要とされていました。

ここからは南千歳~新千歳空港間を複線化する計画を前提として、この先のルート変更について詳しく見ていきたいと思います。

まずは千歳線のルートを新千歳空港駅経由に変更、南千歳~新千歳空港~苫小牧を直通させること。
もう一つは石勝線の起点も南千歳駅から新千歳空港駅に変更し、帯広方面の列車も新千歳空港を経由させることです。

苫小牧方面への直通ルート

※四角は滑走路の範囲

美々信号場付近経由

建設区間が短いですが、新千歳空港の滑走路の下を通ることになります。そのためかなり深いところを掘る必要があり、時間・費用共に掛かりそうです。
この場合は勾配もきつくなるでしょうから旧線も残され、貨物列車はこれまでと同様のルートで走るかと思います。

 

植苗駅経由

一方で植苗駅付近まで路線を伸ばせば距離はかなり長いものの、地下深くまで工事をする必要はありません。

 

同じようなことが起こった例として仙台空港線を挙げてみます。
当初滑走路の下を通るルートが考えられたこともありましたが、結局滑走路を回り込むルートになりました。この時ルートは600m伸びたそうですが、建設コストは約50億円低くなっています。



帯広方面への直通

帯広方面の石勝線へ直通するルートについては3つあります。

 

最短ルート

こちらは一番上、南千歳から新千歳空港へ入った後、方向を変えて石勝線へ入るものです。メリットは距離が短いこと、デメリットはもちろん方向転換が必要な点でしょう。

 

駒里信号場ルート

一番現実的と思われているのは南千歳駅と追分駅の間にある駒里信号場付近を経由するルート。
新千歳空港駅で方向を転換する必要もなく、スムーズに石勝線へ入ることができます。

 

遠浅ルート

一番大回りのルートとしては室蘭本線の遠浅駅を経由するルートです。
これまではほとんど考えられないと思われていましたが、先日報道されたように新千歳空港駅と旭川駅を室蘭本線経由の特急で結ぶ構想があります。この構想が現実となるならば室蘭線から石勝線へ入っていくルートも考えられるものです。



特急停車のメリット

新千歳空港〜札幌の移動で特急を利用したアクセスが可能になります。
所要時間は快速エアポートとそれほど変わりませんが着席サービスを求める利用者の需要をさらに満たせ、特急料金分の増収も得られます。
さらに札幌~苫小牧の普通列車も空港経由になるため、現状のダイヤのままでも札幌方面へ毎時7~8本の列車が走ります。現状の毎時4本のところを増発しなくても倍増できるのです。

 

新千歳空港経由が本線化された場合、最大の変化は函館,室蘭,釧路方面の特急列車が新千歳空港駅を経由するということです。
これにより、道南・道東〜新千歳空港へのアクセスが向上します。



北海道新幹線との兼ね合い

新千歳空港駅を特急が経由するのはJR北海道にとって良いことばかりのように思いますが、実は北海道新幹線が札幌まで開業した後はそうとも言えません。

新幹線が開業した後、室蘭本線の特急は途中の長万部駅からの発着と考えられます。その場合、北海道新幹線を利用せずに新千歳空港まで飛行機で行き、そこから特急で室蘭本線特急を利用したほうが良い場合も多いでしょう。

 

そうした場合、北海道新幹線を利用するお客さんが飛行機へ流れてしまうことになります。



2030年までの開業へ

新型ウイルス前の時点では北海道新幹線札幌延伸前の2030年までの完成を目指すとしており、工期上不可能では無いくらいの期間です。
2030年と言えば北海道新幹線の札幌開業、さらに札幌市が冬季五輪・パラリンピックに立候補する年。
インバウンドの玄関口として新千歳空港駅を整備することがJR北海道にとって、利用客にとって良い結果となってほしいです。

今回もご覧いただき、ありがとうございました。

参考
新千歳空港〜旭川直通特急計画 室蘭線経由で1時間半って出来る?

  新千歳空港~旭川に直通特急を走らせる構想が浮上しました。JRと道内7空港の運営を担う北海道エアポート(HAP)の幹部が新ルート検討に着手していて、実現できるかどうかも具体的に考慮している ...

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