大阪駅の駅前には大変広大な空き地があり、数年前まで梅田貨物駅というでした。
貨物駅を大都会の中心部におくことは時代に合わなくなってしまったため、大阪の各駅に機能が散りばめられることになりました。
梅田貨物駅の廃止により広大な空き地が生まれ、今後開発が進むことは間違いありません。このような景観を見られるのは今だけです。
今回は大阪駅周辺の歴史、そしてこれからどのように開発されていくのかを交えてツアーのようにご紹介していきます。
大阪駅構内の廃線跡
大阪駅11番線ホーム側の通路に来ています。改札を出て右側、コインロッカーのある場所をさらに進んだ所です。上からは線路を見下ろすことができます。
その通路を東方向突き当たりまで来ました。今からご紹介しますのは大阪駅が新しくなる前まであった線路、つまり廃線跡です。
元々大阪駅には線路がもう2本あって、その後が現在はこのように三角形の形の空き地になって残っています。
おそらく赤線のように線路が敷かれていたのでしょう。
大阪駅は7面13線でしたが、現在は6面11線になっています。東海道本線下りホームを1面減らしたことにより、現在のホーム構造となりました。
ところが昔の駅では環状線ホームの番号は内回り線、外回り線と名前をつけていたため、端ののりば番号は11番で現在と変わっていないのです。
今回の話とは関係ないんですが、HEP FIVEにある観覧車の場所には京阪梅田駅が建設される予定でした。
それでは先程の三角形のところを駅の外から見てみます。
高架のすぐ近くには100店舗ほどの食堂が入っている新梅田食道街があります。
元々戦争に国鉄職員が出征したのですが、その方々が戻ってきた時に国鉄職員が多すぎることになってしまいました。その時に再就職先として指定したのが新梅田食道街だったのです。
食『堂』街ではなく食『道』街となっているのは、狭い通路に飲食店が並んでいるからです。
反対側を見ると梅田地区のシンボルとも言えるヨドバシカメラマルチメディア梅田店が見られます。
実はこの建物はJR西日本の本社、もっと昔は大阪鉄道管理局の庁舎でした。
梅田のあたりは今以上に鉄道関連のものが集約されていたということがよく分かります。
先程説明したように、大阪駅は改良時にホームが1つ減らされました。今でもその旧ホームは残されています。
現在いるところが●の所。駅ビルを挟んで奥に旧・11番線ホームが残っていますので、●のところまで行きます。
大阪駅の廃ホーム
こちらが旧・11番線ホームです。
現在は工事中のために閉鎖されてしまいました。
2020年1月31日まではタクシー乗り場として使われていたのですが、新駅ビルの建設が開始されるとのことです。
上から見ると昔はホームだったということがありありと伝わってきます。
アスファルトで埋め立ててタクシー乗り場としていたのですが、BRTのホームみたいですね。
さて、ここから北方向を見ると、梅田スカイビルだけがドンと構え、その手前には広大な空き地が広がっています。こんな大都会にこれだけの空き地があるのは通常では考えられません。
実は数年前までは梅田貨物駅という大きな貨物駅があったのです。しかし、大阪駅前のような大都会に大きな敷地の貨物駅を置いていては地価の上昇による問題もあり、お金がかかるということもあって、この敷地は売払われることになりました。現在この周辺では再開発が行われています。
それでは今からこの貨物駅の周りを歩いていこうと思います。
旧・11番線ホームは1962年に作られたもの。
当時の頃のデザイン等残されていますが、この姿を見られなくなるのもそう遠くないでしょう。
旧・11番線ホーム下にはジェイアール西日本マルニックスというトラック輸送業者の梅田支店があります。
昔は各ホームで積み下ろしされていた小荷物をここで取り扱っていたようです。
近くにはいかにも昔風なデザインの高架も見られます。西洋の橋が連想され、当時のことを知らないのにも関わらず、親しみを感じます。
それでは今回はここまで。
後編では梅田貨物駅跡の周りを歩き、今後地下化が決まっている梅田貨物線をご紹介、また、梅田スカイビルから大阪駅方面を見たときの様子をご紹介します。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。
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