2024年春、北陸新幹線の金沢~敦賀が開業します。
この新幹線は整備新幹線のため、並行する在来線(北陸本線)は第三セクター鉄道に移管されます。
三セク鉄道は都道府県ごとに設立されるのが通常です。
現在北陸新幹線の並行在来線は、しなの鉄道(長野県)、えちごトキめき鉄道(新潟県)、あいの風とやま鉄道(富山県)、IRいしかわ鉄道(石川県)が運営しています。
石川県内の金沢~大聖寺は引き続きIRいしかわ鉄道、そして福井県内の大聖寺~敦賀は新たに設立される三セクによる運営です。
昨年12月〜今年1月にかけて公募を行っており、2022年3月28日、その名前が決まりました。
並行在来線の会社名は『ハピラインふくい』です!
この発表に対しては、かなり物議を醸しています。
老人ホームみたい等、どちらかと言ったら否定的な意見が目立ちました。
しかし、名前というのはそのうち慣れるもの。2020年春に仮開業した山手線・高輪ゲートウェイ駅も、駅名の発表時にはかなり騒がれましたが、今では定着しているように思えます。
会社名の由来については、『福井の「福」を意味する「ハピネス(幸せ)」と「ライン(線)」を組み合わせ、鉄道で幸せな未来を創造したいとの願いを込めた。』としています。
それでもこの会社名になるに至った経緯は気になるもの。それについて個人的に予想をしてみました。
第三セクター鉄道の命名においては、『無難度』と『地域魅力発信度』2つの指標があると思っています。
そもそも福井県内には、既に鉄道会社として「えちぜん鉄道」と「福井鉄道」があります。
そのため、しなの鉄道やIRいしかわ鉄道のような無難な名前にするというのはかなり難しかったと思います。
また、地域魅力型にするというのも少々困難です。
広域的な路線網を持つ旧北陸本線、そのため余り一つの地域に限定的な名物を会社名に入れることはできません。
例えば、「あいの風」は万葉集の時代から幸せを運ぶ爽やかな風として認識されており、限定的なものではありません。
「おれんじ」や「いさりび」も全体的な沿線のシンボルと言えるでしょう。
「トキ」はやや佐渡島の地域性が出てしまうかもしれませんが、新潟全体の象徴的存在であり、路線名の「妙高はねうまライン」「日本海ひすいライン」に十分な魅力を詰め込むことができていることから、問題視されなかったと思われます。
福井と言ったら恐竜、メガネ、カニ、東尋坊、そば等が思い浮かびます。しかしどれも一部地域に偏っているようで、名前に含めるのは難しそうです。
また、福井県内には既にハッピー系の施設やキャラクターがあります。
福井駅西には商業施設の入った高層ビル『ハピリン』がそびえ立ちます。屋根付き広場はハピテラス、多目的広場はハピリンホールです。
また、福井市内の足羽山公園遊園地には動物のいる『ハピジャン』というエリアも。
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— はぴりゅう☆HAPPY-Ryu_official (@Happy_Ryu2018) March 26, 2022
また、福井県マスコットキャラクターは『はぴりゅう』です。福井県は幸福度日本一ということもあって、このようなネーミングになっています。
また、すまいる2021年秋に京福バスに組み込まれましたが、福井市コミュニティバスは『すまいるバス』でした。
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かなり入れ込んで調べたからかもしれませんが、福井市はかなりハピネス系を推していることが分かります。『ハピラインふくい』もその一つと考えれば、そこまで変なものには思えなくなってきました。
2024年春に生まれ変わる北陸本線。『ハピラインふくい』として愛される鉄道となることを望みたいですね。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。
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