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『日本最古の現役駅舎』は本当?レトロな木造駅舎が残された亀崎駅
今日は武豊線の亀崎駅にやって来ました。 一見普通に見えますが、この駅には国内でも貴重なものが残されています。 それがこちらの木造駅舎。なんと現役の駅舎としては ...
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愛知県で一番古い路線、武豊線の途中駅には様々な歴史あるものが残されています。
前回訪れた亀崎駅には日本一古い駅舎がありましたが、今回ご紹介する半田駅にも様々な見どころがあります。
特に注目すべきなのがこちらの跨線橋。
柱に貼って案内されている通り、何と『JR最古の跨線橋』です。
半田駅が開業したのは明治19年、かつては駅舎に接したプラットホームもあって、現在でもその名残が見て取れました。
現在では2,3番線のみが使用されており、跨線橋は駅舎とここを結んでいます。
それでは半田駅一番の見どころである、跨線橋周辺を見てみましょう。
プラットホームの上屋が木造で、全体的にレトロチックに調和した光景です。
跨線橋を支えるのは赤茶色に塗られた柱。柱を置く長方形の台座、ペデスタルが良い味を出しています。
入り口もまた西洋風のデザインになった柱が立っていました。
階段の窓は長方形ではなく平行四辺形で、薄汚れている様子も古さを感じさせます。
跨線橋の中はたしかに古そうですが、JRで一番とはあまり感じられないほど綺麗です。
この跨線橋が完成したのは明治43年(1910年)とのことです。
しかし山陰本線大田市駅に1890年からの、八鹿駅には1907年の跨線橋が残っています。
そのため正確に言えば、『完成から同じ場所にある跨線橋としては、』JRで最も古い跨線橋です。
跨線橋の駅舎側入り口もホーム上と同じようなデザインになっていました。
ペデスタルには跨線橋が完成したことに合わせ、『明四十三 鐵道新橋』と書かれています。
跨線橋だけでなく駅舎周辺、上屋なども非常に良い雰囲気が漂っています。
屋根を支える方づえが集まるところにまで西洋的なデザイン性が感じられました。
他にも駅員室周辺では非常にしなやかなカーブを描いた線路が利用されています。
跨線橋の他にも半田駅には歴史的な建築物が残されています。
それがこちらのランプ小屋。
赤レンガ造りのレトロなこの小屋には夜間信号機に使う灯油が中に保管されていました。
改札口の周辺はまるで博物館の入り口のような感じ。目立つ色の簡易TOICA改札機が浮いて見えました。
武豊線内で唯一の有人駅となっている半田駅、駅舎内は白色が基調となっていて、茶色で輪郭が付けられているようです。
駅舎は外から見るとそこまで古く見えず、入り口上部分の赤い鉄骨がアクセントとなっており、新しい感じがします。
駅舎左には団体専用らしい改札もあって、ここにはレトロな屋根が見られました。
こちらの駅舎は大正11年に建てられたとのことで、これ自体も十分価値あるものです。
そんな半田駅ですが、この駅舎や跨線橋に黒い影が忍び寄ります。
それは半田駅の高架化、連続立体交差工事です。
かつて国鉄だった半田駅、その周辺には金融機関や市役所などが集まります。
一方で近くにある名鉄 知多半田駅周辺には商業地域が広がっています。これらをつなぐ道が武豊線で分断されているのを一体化するという計画です。
現在でも高架化に向けた、仮線設置の工事も始まっていました。
そんな工事はホーム上でも進められており、何やら新しい跨線橋のようなものが設置されていました。
こちらは現在建設が進んでいる、半田駅仮駅舎とつながっています。
仮駅舎はご覧のようなプレハブの建物で、2021年6月に完成する予定とのことです。
高架化のための仮線工事は2023年3月まで、高架切替は2026年中に行われる予定になっています。
話がそれますが、半田駅には鉄道資料館があって蒸気機関車も保存されています。
鉄道資料館の開館日は第一・第三日曜日(1月は第二・第三日曜日)のため、訪問はちょっと難しいかもしれません。
しかし、資料館奥にある蒸気機関車はいつでも見られるようです。
かつて蒸気機関車が走っていた武豊線、1970年6月30日、最後に牽引した蒸気機関車が静態保存されています。
半田市はこのような鉄道の遺産を積極的に残しており、跨線橋やランプ小屋についても紹介をしています。
JR東海も武豊線の電化の際、この跨線橋を残しながらも架線を引くため保護工事を行いました。
街の利便性向上のためには必要な連続立体交差事業、半田駅に残された貴重な建造物は一体どの様になるのか、その点にも注目したいところです。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。