ここは新青森駅、東北新幹線の終点、北海道新幹線の始発駅です。
北海道新幹線は青函トンネルを含む前後で貨物列車との共用区間となっているため、速度を抑えて運行しなければならないのが難点でした。
そんな中貨物列車の少ない年末年始の2020年12月31日から翌年1月4日にかけて、青函トンネル内に限って一部新幹線の速度が160km/hから210km/hへ引き上げられます。
今回は北海道新幹線の速度向上やこれからについて紹介してきます。
まずは各区間ごとの最高速度について紹介します。
まず黒の実線部分は260km/hで運行されており、東北新幹線の盛岡以北と同様、整備新幹線の速度となっています。
青線部分は140km/h、これは貨物列車との共用区間です。すれ違ったときの風圧で貨物が飛ばされないようにするために速度が抑えられています。
そして赤線部分が今回160km/hから210km/hに引き上げられる区間です。
引き上げられるのは設定された貨物が走らない時間帯で、朝から夕方頃までです。
対象列車は、
新函館北斗方面:はやて91,93号、はやぶさ95,1,7,13,19号
東京方面:はやぶさ10,14,18,22,28,32,34号
で、これから乗車するはやぶさ13号も含まれます。
新青森駅を発車し、しばらくは最高速度260km/hの区間。
しかし、新中小国信号場からは貨物列車との共用区間となるため最高速度が140km/hへと抑えられます。
共用区間で設置されているのがこのような3本のレール。貨物列車では奥と内側の線路、新幹線では奥と外側の線路が使われています。
奥津軽いまべつ駅を通過。新幹線ホームの裏には在来線規格の待避線があります。
奥を見ていると、これから青函トンネルへ入る貨物列車が退避しているのを見られることもあります。
貨物列車が新幹線を先に行かせるというのはここでしか見られない光景です。
それでは青函トンネルに入ります。
210㎞/hの走行を行うのはトンネル内のみとなっていて、正直乗りにに行ったとしても、どれだけ速度が上がったのかはわからないでしょう。
万が一の時避難設備として使われる龍飛定点、吉岡定点を通過。
青函トンネルと一体化した第一湯の里トンネルを抜け、北海道に入りました。ここからは再び最高速度は140㎞/hへ落とされます。
これはおそらく新幹線の騒音に対応した防音癖などが無いからでしょう。トンネル内ならいくら騒音を外に出しても問題ないですからね。
青函トンネルを出るとすぐに見られるのが湯の里知内信号場です。在来線の海峡線時代には1日2往復だけ停車する知内駅という駅もありました。
木古内分岐部で在来線の線路は道南いさりび鉄道の方へと分かれて共用区間は終わり、その直後に木古内駅を通過します。
ここからは本州と同様、最高速度は260km/hとなります。
右手には函館山が見えてきますが、北海道新幹線は函館へは行かないので、だんだんと離れていってしまうのが少々残念なところとなっています。
そんな函館へ行くのには在来線に乗り換える必要があります。
今回の速度向上で当然新幹線の到着時間も早まるわけですが、それに伴って在来線のダイヤも一時的に変更されました。
変更されるのは対象新幹線に接続するはこだてライナー11本。乗り換え時間は12分程度に据え置かれています。
これによって東京から函館への再速達ははやぶさ13号からはこだてライナーに乗り換える4時間23分となりました。元々同じ列車で4時間26分だったところから3分の短縮です。
北海道新幹線はこれから札幌まで建設が進められます。
北海道新幹線もそうですが、整備新幹線は最高速度が260km/hに抑えられてしまっています。
JR北海道は2019年、新函館北斗〜札幌について自社負担で320㎞/hでの走行を可能にする工事を行うことを国土交通省に要請しました。
追加でかかる工事費用は約120億円、短縮時間は5分ほどです。
北海道新幹線が本当に意味を持ち始めるのは札幌まで開業してから。今回の青函トンネル、そしてこれからの開業区間での速度向上が良い結果へと導かれることを期待したいです。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。