JR東日本 福島

【山形新幹線】福島駅アプローチ線の現在 ボトルネック解消工事に潜入!

2023年11月7日

 

東北新幹線に乗ってやってきました、こちらは福島駅です。

福島駅からは奥羽本線を走るミニ新幹線、山形新幹線が分岐します。ここでは上り山形新幹線が福島駅へ入るための、アプローチ線建設が進められています。

 

新庄・山形からやってきたつばさ号は、福島駅でやまびこ号と連結して東京へ向かいます。現在列車の連結・解結が行われるのは、下り14番線ホームのみ。

 

そのため上り列車は平面交差で東北新幹線下り線をまたぐ必要があり、雪などで列車が遅れた際にその遅れがJR東日本の新幹線網全体に波及しています。

 

この状況を解結すべく、山形新幹線から福島駅へ繋ぐもう一本の上りアプローチ線建設が進められているのです。

今日はその工事現場見学会の様子をお届けします。工事現場の様子や進捗状況など、アプローチ線の今はどうなっているのでしょうか。



福島駅で受付を終えまして、いよいよ見学会のスタートです。

普段は外から見るにとどまっている工事現場、アプローチ線の下へと進んでいきます。

 

こちらで設計図など掲示の下、工事状況の解説をいただけました。

 

お子さんにもわかりやすい、福島アプローチ線建設の理由。山形新幹線E3系の連結相手がE5系になっており、将来の姿を見せられているようでした。

 

今回見学させていただくのは、福島駅近くの1工区本体工事。ここから急勾配を抜けて奥羽本線と接続させるのが2区工事で、2026年度末使用開始予定になっています。



アプローチ線建設現場へ上がらせていただく前に、様々体験型の展示を拝見します。

こちらはVRゴーグルで、仮想現実空間の高架橋を見ることができます。実際に測量などで立体感覚を掴めるようにしていたそうです。

 

こちらは軌陸車、枕木を設置するデモンストレーションが行われていました。

誤差20mmでの正確な操作が求められるそうで、一晩で50m〜70m進められるとのことです。

 

道路上ではキャタピラーでの移動ですが、線路上を走るため鉄輪へ切り替えることができます。

通常は踏切から侵入して、枕木交換など行うそうです。

 

実際に軌陸車の中まで入らせていただくこともできました。

 

また、レールカッターによる線路切断の実演も。

火花を散らしながら切断には5分くらいかかっており、熱い線路を横から水で冷やしています。



それではいよいよアプローチ線の上へ。

このピカピカのコンクリートで立派な高架橋に向かいます。

 

完全に透けている足場の中、階段を登っていきました。

 

足場の途中では、完成後も同じ目線で見る機会が無い途中階の様子も。

 

そして高架線の一番上まで到達したところがこちら!

真っ白なコンクリートに大きな枕木が並ぶ、線路が敷設されています。

 

土台からレールまでかなり高さがあって、土台がしっかりしている様子がよく分かります。

 

下を覗かせていただくと、枕木と高架橋の空間にコンクリートを流し込んで固めているところ。そのため緑色のカバーが掛けられていたようです。

 

これより先はまだコンクリートが入れられてない区間。

 

そのため枕木下部分の、少し柔らかい黒い部分が露出しているのも分かります。レールからの振動をここで吸収し、高架橋へ伝わるのを抑えているのでしょう。

 

こちらはコンクリートで埋まってしまうので、今後見ることができなくなってしまいます。

 

おそらくコンクリートを流し込む際に掛かってしまわないよう、レールと枕木の接合部はビニールで包まれていました。

 

このコンクリートを境に、枕木が設置されている間隔が広くなりました。これより福島駅側はバラスト軌道、石を敷き詰める方式に変わります。

 

ここで元からの新幹線高架橋と接合しており、左側の壁のすぐ向こうには東北新幹線の線路があります。

 

福島駅の方を向いてみますと、目の前には東北新幹線の架線柱。その向こうには丸い柱の新しい架線柱が建てられており、これの切り替えも進められるのです。



福島駅の目の前、高いところから見渡すことができました。

将来連結作業を行う一番左の11番線に入るのですが、そのルート上に古い架線柱が立っています。明らかにこれを撤去しないと、線路敷設ができないのは明らかです。

 

11番線ホームへ向かう線路と壁で隔てられていますが、ちょうどあの辺りに分岐器が取り付けられます。

 

先程ご覧に入れた、既存高架橋と新しい高架橋の接合部。現役で走っている東北新幹線の近さがお分かりいただけるでしょう。



それでは福島駅近くを後にしまして、今度は北側へ戻ります。

新幹線ではロングレールが使われていますが、現在は工事中で線路に隙間がある状況。これらも一本になって、新幹線ならではのロングレールになります。

 

東北新幹線の架線柱はご覧に入れた通りアプローチ線の支障になるため、新しい架線柱を立てる土台も見られました。



そしてこちらが7月に架けられました、西町跨線橋を跨ぐ橋桁です。

大きなクレーンを持ってきまして、この大きな橋桁を一晩にして架橋。そのクレーンも巨大で、ある程度分解しても搬入経路を確保する必要があったそうです。

 

端には車輪の付いた、簡単なトロッコみたいな板が置かれていました。

まだ列車が走らないのに早くも線路が敷設されているのは、レール上にこのようなトロッコを走らせるため。工事資材を人力ではなくトロッコで運ぶため、作業効率を上げることができます。

 

薄い黄色で目につきやすい色、つばさ号が走るようになっても注目できそうです。



この橋の上にはフル規格新幹線とミニ新幹線の線路境界があります。

フル規格では60kgレール、ミニ新幹線では50kgレールが使われているとのことで、同じ線路幅の標準軌でもレールが違うんですね。

 

その境界部が黒色になっており、レール自体の幅や高さの違いがよく分かります。

 

こちらには線路の歪みをチェックできる、測量の機械が載せられていました。実際に参加者も手に触れて、コロコロ転がす体験をさせていただけます。



これより先が第2工区であり、奥羽本線へ繋がる区間へ。

勾配は37‰となっており、板谷峠の33‰を超えます。

 

今はぶつ切りになっていますが、ビル12階の高さから東北新幹線の高架をくぐって地上まで降りる、大規模な工事がこれからです。

 

ボトルネックを解消する福島アプローチ線。端から端まで見学させていただける、とてつもなく貴重な機会でした。

 

これからも続く工事進捗含め、2026年完成までの変化がとても楽しみです。

 

今回もご覧いただき、ありがとうございました。

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【撮影協力:かんの さん】

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