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【徹底解説】etSETOra(エトセトラ)完全貸切!~瀬戸内海を行く呉線の観光列車~[史上最長片道切符の旅(22)]

2022年5月30日

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今回のルート

三原〜呉

 

今回乗車するのは呉線を走る観光列車、etSETOra(エトセトラ)です。

ラテン語で「その他色々」の意味がある『エトセトラ』。それに加え、広島弁で「たくさん」の意味を持つ『えっと』、そして『瀬戸内』が次から次に紹介したくなる魅力に溢れていることを表現しています。

 

呉線では元々観光列車として、瀬戸内マリンビューが走っていました。

 

これを改造して2020年秋から走り始めたのが、etSETOra(エトセトラ)です。

2020年秋に開催された、せとうち広島デスティネーションキャンペーンに合わせてデビューしました。

1454 三原駅 発

高架橋で南側の海沿いへ向かって走り出します。

停車駅は、忠海,竹原,安芸津,呉,広島です。

 

車掌さんから記念乗車証を頂きました。

この列車は尾道・三原〜呉・広島を結びます。

当初、往路は広島から呉線経由で尾道、復路は尾道から山陽本線で宮島口まで走っていたのですが、2021秋から往復共に呉線を走るルートに変更されました。

ここで気づいたのですが、どうやら今日は他にお客さんがおらず、貸し切りの様子。

アテンダントさんにお聞きしたところ、ここまでお客さんが少ないのは珍しいようです。

こんな機会はもう無さそうなので、車内をしっかり見て回ることにしましょう。

乗車している1号車は明るいオレンジ色になっており、宮島の落ち着いた秋の雰囲気を表現。床の柄は宮島の千畳閣をイメージしています。

 

テーブル下にはUSB充電ポートが設置されています。

 

座席は下のレバーを操作して回転させることができ、車窓に合わせることが可能です。

 

続きましては2号車。先ほどの1号車とは対照的に、深緑色の落ち着いた雰囲気です。

こちらは瀬戸内の山の新緑を表現し、床の柄は尾道の石畳をイメージしています。

 

1号車のテーブル4人席は、一般的な2人ずつの向かい合わせです。

 

一方で2号車の海側テーブル席は、細長いテーブルを4人で囲うような形でした。



座席の正面に窓枠が入ってしまわないか、眺望に関してもまとめました。

1号車

1A◎D○
2A◎D○
3A◎D○
4A◎D◎
5A○D◎
6AB◎CD◎
8AB○CD◎
10A○D◎

2号車

1A○D◎
2A○D◎
3A◎D○
4A×B◎C○D◎
5A○D◎
6A◎B○C◎D◎
7A◎D○
8A○D○

◎:文句なし ○:やや窓枠がかぶる場合も ×:窓枠が真正面



列車はかなり海の近くまでやって来ました。

呉線と言ったらやはりこの景色でしょう。

 

安芸幸崎駅手前には今治造船株式會社の広島工場が見えまして、四国との結びつきを感じさせられます。

 

台湾の長栄海運が運航する、EVERGREENと書かれた大きな船も見られ、瀬戸内海を通る船を眺めるのも楽しいものです。

 

安芸幸崎~忠海は呉線で最も景色が良い区間。

観光列車はよくこのような区間で徐行運転をするのですが、etSETOraは何と停車までしてくれます。

 

線路上で観光停車というのはかなり珍しいもの。海の景色をじっくり楽しめました。

 

海の向こうに浮かんでいるのは、ウサギの島として有名な大久野島です。

 

島にいるウサギは地元の小学校で飼われていた8羽が離されて野生化し、繁殖したと言われています。

忠海港からフェリーで15分ほど、1時間に1本以上運航されているので、結構便利です。

 

竹原市は竹取物語と関係ありませんが『竹』に託けて、かぐや姫美術館なんてのもあるそう。



1号車にはバーカウンターがあり、ここで車内販売が行われます。

ワゴンもありますが普段から動かないようで、ここに設置されたままです。

 

車内販売品はおつまみやデザート、オリジナルグッズを中心としています。

 

こちらは尾道発復路便のみ提供されるアルコールメニューです。

 

今回買ってきたのは、島ごころレモンサイダーとレモンケーキ。

レモンの生産量が日本一で有名な広島県、近年ではそれも有名になってきて、瀬戸内レモンが人気です。



風早駅で普通列車と行き違い。

ここにも227系Redwingが入って来ます。

 

ホーム上には高校生の生徒さんがいらっしゃって、車内に一人しかいない僕と目が合うのが非常に気まずかったです(笑)

 

この時は知らなかったのですが、安芸川尻駅の手前には日本一短いトンネル、川尻トンネル(全長8.7m)があります。ぜひ乗られる際はそこにも注目してみてください。

 

太陽も段々と夕方の色になって来ました。そろそろ瀬戸内海の景色ともお別れします。



仁方駅で運転停車が行われました。

何てことない途中駅ですが、この駅は史上最長片道切符の旅でかなり重要なポイントです。

 

かつて広島県と愛媛県を結ぶ航路として、呉線仁方駅~予讃線堀江駅で仁堀航路が運航されていました。

1982年7月1日に赤字を理由に廃止され、これによって最長片道切符のルートから四国が外されます。

こちらの航路は非常に本数が少なく、晩年は1日2往復しか運航されていなかったそうです。



広駅は呉線の運転系統上の境界駅で、広島~広では快速安芸路ライナーが運行されています。

かなり重要な駅ですが、etSETOraはあくまで運転停車のみ行います。

 

広駅を境に日中の列車本数で比較すると、1時間に1本から1時間に3本まで増加します。

そのため安芸阿賀駅でも運転停車が行われました。

 

列車は2.5kmにも及ぶ呉トンネルを走り抜けます。



1636 呉駅 着

海軍の街として発展してきた港町、呉市に到着です。

 

宇宙戦艦ヤマトの発車メロディーが鳴らされまして、終点広島に向かって走り出しました。

 

etSTETOraは広島~尾道のグリーン指定料金が1000円です。

快速列車ですが全車グリーン車指定席なので、青春18きっぷでは乗れず乗車券も別に購入する必要があります。

 

ロケーションも非常に良く、新しく生まれ変わった観光列車としてかなり頑張っていると思います。

こちらへいらっしゃった際は是非乗ってみてください!

JR西日本公式HP/etSETOra(エトセトラ)

 

今回もご覧いただき、ありがとうございました。

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