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駅通過禁止!青春18きっぷ各駅停車で枕崎→稚内 日本縦断
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青春18きっぷは日本で最も有名なフリーきっぷでしょう。
春・夏・冬季の長期休暇に合わせて発売され、四島に敷かれたJR在来線の普通列車や快速列車に乗車することができます。
そんなきっぷを携えてやってきました。ここは日本最南端の終着駅、指宿枕崎線の枕崎駅です。
これから向かうのは日本最北端の終着駅、宗谷本線の稚内駅です。
しかし青春18きっぷを使った日本縦断は、大勢の方が行っています。
そこで今回は旅をちょっと過酷にする制限を加えてみました。
それが駅の通過禁止です。
日本最北端の標がある稚内駅まで、各駅停車でどれだけの時間がかかるのでしょうか?
そしてそのようや旅行で感じることは一体何なのでしょうか?
全編合わせて長い記事になりますが、ぜひご覧ください。
6:04 枕崎駅 発
他に誰も乗せていない2両編成の列車、窓からジメっとした風を感じながら、稚内駅までの旅が始まります。
右手に見えてきますのは、指宿枕崎線のシンボル開聞岳。
薩摩富士と呼ばれる綺麗な円錐型の成層火山、非常に堂々とした出で立ちです。
途中には日本最南端の駅、西大山駅があります。ここで下車して後続の列車に乗っても行程に影響は無いのですが、今回はスルーしました。
今、最南端系の楽しみを総取りしまっては、次回ここへ来るときのワクワク感が無くなってしまうので…。
特に西頴娃駅から高校生の生徒さんが多く乗ってこられ、座席は一杯になりました。
そんな状況下で到着しましたのはJR最南端の有人駅、山川駅。2016年3月26日に無人化されたのですが、10月3日から簡易委託駅として復活、駅舎前の碑もそれを示しています。
次の指宿駅で向かいに停まっているのは普通山川行きです。あちらのキハ200形は、快速なのはなでも使用されます。
そして錦江湾の奥には鹿児島のシンボル・桜島が現れてきました。
市街地が近づくと、谷山駅からは鹿児島市電とも並行して走ります。
単線非電化のJRと比べて、市電の方は複線電化。かなり差があるものです。
8:53 鹿児島中央駅 着
年季を感じる気動車から、たくさんのお客さんが吐き出されていきました。枕崎駅の時点では考えられなかった、都市圏の鉄道の姿です。
枕崎駅は無人駅のため、青春18きっぷはまっさらな状態。
鹿児島中央駅の改札で1回目のところに押してもらいました。
ここでは1時間近くの滞在となります。
政令指定都市になれそうなレベルの大きな街を形成しているため、この先の旅程に向けて体制を整えておきましょう。
そろそろ時刻なので3,4番線ホームへ。
4番線には指宿枕崎線を走るD&S列車、特急指宿のたまて箱がやってきました。
白と黒のツートンというかなり個性的な車両。ドアの上からはミストが出ていて、玉手箱を表現しています。
次に乗車するのは普通 国分行き、ここから東へ向かいます。
9:42 鹿児島中央駅 発
鹿児島中央駅のシンボルとも言える観覧車「アミュラン」に見送られます。
鹿児島駅までのひと区間だけは鹿児島本線、ここからは日豊本線へ入ります。
この先には錦江湾、そしてそこに浮かぶ桜島を見ることができます。指宿枕崎線よりもより近く、山の凹凸もはっきりと分かる姿です。
次は竜ヶ崎駅に到着。この駅は普通列車でも通過することがあるので、駅通過禁止という今回の縛りにおいて、気をつける必要がありました。
10:19 隼人駅 着
列車は国分駅まで行くのですが、途中下車。霧島市は鹿児島県第二の人口(125,128人/2019年4月)を有し、鹿児島市のベッドタウンでもあります。
隼人駅では肥薩線に乗り換えます。
10:35 隼人駅 発
肥薩線には非常に古い駅舎が多く残されています。特に嘉例川駅は非常に人気で、この日も沢山の観光客が駅にいました。
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さらに大隅横川駅は鹿児島県最古の木造駅舎、機銃掃射の銃弾跡も残った歴史が刻まれる駅です。
11:36 吉松駅 着
列車の終点はここ吉松駅。それだけでなく、この先肥薩線で北上することができません。
肥薩線は八代駅までを結ぶ路線であり、以前は熊本へ抜けることができました。
しかし現在は2020年夏の豪雨で不通に。代行バスも運行されていないため熊本へ行くことはできません。
これまで青春18きっぷ日本縦断では肥薩線ルートで行くのが普通でした。
しかし列車が繋がっていないのならば仕方がありません。唯一残された宮崎を回っていくルートへ向かいます。
吉松駅はかつて鹿児島本線だった肥薩線と日豊本線だった吉都線が分かれる駅。
今ではどちらもローカル路線ですがかつては極めて重要な地点であったため、蒸気機関車が展示されていました。
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1時間ほど待ちまして、この先は吉都線で都城へ抜けることとなります。
13:12 吉松駅 発
吉都線に乗車し、列車はエンジンを唸らせながら登っていきます。
右手にあるのは非常に美しい稜線を空に描く霧島連峰です。これらの周りに線路が敷かれているため、列車が進んでいくと表情を変えていってくれます。
小林駅は線内で最も大きな駅。高校生の生徒さんが多く乗車してきました。
終点の都城市は鹿児島県と隣接して目立ちませんが、宮崎県第二の都市です。駅周辺にはチェーン店が集まっています。
バチバチと窓に木が当たっていた道中。扉横の金具には葉っぱが絡まっていました。
15:08 都城駅 発
白黒の色合いによってシックな印象を与えられる、817系電車で宮崎へ。
今回は隼人駅から肥薩線と吉都線を経由して遠回りしました。しかし、そもそも鹿児島県から宮崎県の県境を越える日豊本線の本数が少ないので、どちらを経由しても結局同じ列車に乗ることとなります。
南宮崎駅は宮崎空港方面へも向かう日南線の分岐駅であり、車両基地も広いです。
大淀川を渡れば宮崎駅に到着します。
16:12 宮崎駅 着
真っ白で爽やかな駅舎。駅前にいるとギラギラとした強い日差しが差さりますが、涼しさを感じさせるデザインです。
ところがホームで電車を待っていると数分後には雨が降ってきました。東南アジアのような気候で、この短時間にも南国らしさを感じられます。
16:44 宮崎駅 発
電車には大勢のお客さんが乗り込み、本当に少しずつ途中で降りていく感じです。
空には太陽と雨の贈り物、虹がかかっていました。
都農駅から先、右手には上に太陽光パネルが並ぶリニア実験線跡が続きます。
現在ではその役割を山梨へ引き継いでいますが、1996年までここで研究がされていました。
直線的な区間では日向灘を見ることができ、かなり広々とした海の景色です。
18:15 延岡駅 着
ここは旭化成による工業の街として、重要な地点となっています。
徒歩圏内にはマックスバリュがあったので、食料を確保。明日からは途中で買い物をできる駅がほとんど無いのです。
夜になりまして、蔦屋書店やスターバックスが入っている駅舎も映えてきました。
さて、ここからは青春18きっぷ旅行で乗車するのが最も困難な区間、宗太郎越えと呼ばれる延岡〜佐伯へ向かいます。
延岡→佐伯の列車は1日に朝夕の2本。佐伯→延岡に至っては朝の1本しかありません。
これらの列車は特急車両787系による運行。
わざわざ少ない本数のために、普通列車を持ってくるよりも効率が良いのでしょう。
20:07 延岡駅 発
乗客が利用できるのは先頭車両の1両のみ。本数が無くて利用者が集中しますが、生活利用者は2、3人程度でした。
利用者が便利な特急に流れているのかもしれませんが、この状況ではこんな本数になる訳です。
宮崎県と大分県の県境にあるのが、秘境駅とされる宗太郎駅です。
虫の鳴く声しか聞こえませんが、かつては急行列車も停まっていました。
21:11 佐伯駅 着
困難な区間を乗り越えた余韻も冷めない中、すぐに乗り継ぎとなります。
21:14 佐伯駅発
ここは非常に接続が良く、そのままロングシートに揺られていきます。
津久見駅のホームには、サザエさんが割ったようなみかんがベンチにされていました。
列車は真っ暗な大分川を渡ります。奥にはパチンコ店らしき煌々とした光、夜でもロードサイドに建物の並ぶ様子を窺えました。
22:46 大分駅 着
大分駅からは各方面へ路線が伸びており、駅名標の隣駅には3駅並んで書かれています。
今日中に進むこともできますが、明日は大分駅始発の列車に乗ることになります。
大分駅周辺に快活CLUBもあるので、今日はここまでとします。
おはようございます。2日目の朝です。
昨日は1日1.5往復しかない延岡~佐伯に合わせたためのんびりした行程でしたが、今日からは本格的に乗り継ぎばかりです。
改札にて2日目のスタンプを押してもらいました。
5:34 大分駅 発
最初は柳ヶ浦行きの列車に乗車します。
別府湾に浮かんできた朝日と共に出発です。
おんせん県として知られる大分県、その中でも誰もが知る湯の街を出ていきます。
日豊本線には上下線別のところを走る区間もあります。左が山をトンネルで突っ切る大分方面、右が山に沿って走る博多方面です。
ホームが並行しておらず、駅構造にまではっきりと表れているのは珍しく感じます。
宇佐駅では特急通過待ちのため停車。
駅名標にはアメリカ国旗風に宇佐八幡宮が描かれています。
博多方面の青いソニックが追い越していきました。
6:44 柳ヶ浦駅 着
駅名標に描かれている東光寺の五百羅漢は、市の有形民俗文化財です。
0647 柳ヶ浦駅 発
柳ヶ浦駅ですぐの乗り継ぎ、現時点ではガラガラの転換クロスシートです。
大分県の北西端、中津駅に到着。
旧豊前国だったため福岡県との結びつきが強い街となっています。
山国川を渡り、大分県から福岡県に入りました。
通勤通学の時間帯も重なり、だんだん車内もかなり混雑。
最初は貸切状態でしたが7両編成のキャパシティを十分発揮することとなりました。
北九州モノレールの下をくぐり、北九州市の都市圏へと入ります。
小倉駅では切り離し作業のためしばらくの停車。
後ろ3両は中津行きとして折り返し、前4両はそのまま門司港駅へ向かいます。
小倉から門司には広い貨物ターミナルなんかもある鉄道用地が立派なところ。
どちらかといえば反対方面からのほうが見えやすいのですが、その規模の大きさはよく分かります。
さらに海の方を見れば埋立地に作られた工場の煙突が伸びていて、北九州の工業がいかに盛んであるか知らしめられます。
0826 門司駅 着
さて、遂にここで九州の移動が終わることとなりました。
いよいよ関門海峡を渡る!というところですが、今回はここまでとさせて頂きます。
次回は本州の大幹線を走破、いよいよ快速列車が多く走る都市圏を通ります。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。
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