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北海道で走る第三セクター 地域住民が支える道南いさりび鉄道(7)
今日は北海道鉄道の玄関口の駅、木古内駅にやって来ました。 この駅は北海道最南端の駅、駅舎内にはそれを示す記念碑が立っていました。 かつて使われてた三角形の駅舎、その先端部分 ...
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今日は北海道の第三セクター、道南いさりび鉄道に乗って来ました。
下車しましたのは渡島当別駅。駅舎は西洋風のデザインです。
北斗市は新函館北斗駅周辺の大野町と、渡島半島の底辺辺りにある上磯町が合併した街。
今回やってきたのは旧・上磯町側です。
駅舎の中は教会のようなデザインで、ステンドグラスも鮮やかに光っていました。
渡島当別駅の近くには道南でも有名な、トラピスト修道院があります。
今日はそこへ訪れてみることにしました。
駅からトラピスト修道院までは1.5km、徒歩20分。しばらくは線路沿いを歩き続けます。
途中で踏切を渡り、今度は山へ向かって上ります。
ここからは真っ直ぐ一本道が伸びており、左手には石別中学校が見られました。
なだらかな牧草地が広がっており、環境緑地保護地区にもなっています。
道の両側に続いているのはスギとポプラ並木です。
スゥ~っとまっすぐ上に伸びた先では、レンガの建物が格上高い雰囲気を出しています。
最後は急な坂を登りきりました。
ここが修道院へのゲートになっています。
丁度目の前にある桜の木には葉っぱが出始めているところでした。
閉じられた門には洋画で出てきそうな、歴史を感じさせる字で記されています。
こちらの修道院内は事前に予約をすれば、男子のみ見学することができます。それはトラピスト修道院が男子修道院のためです。
一方で函館の湯の川には女子修道院のトラピスチヌ修道院があります。
少し覗いてみると洋館のように幅広い、立派な建物が建っていました。
1896年に日本初の男子修道院として建てられた頃は白いペンキで塗られた木造建築でした。
1903年に焼失後、再建の際には野幌(江別)からレンガを運んでいましたが、輸送が間に合わなくなります。
そんな中、駅から来る途中にあった石別中学校辺りで良質な粘土が採れたため、現地の原料を使用したのです。
門のところにはトラピスト修道院について紹介する展示室がありました。
1896年にフランスから日本へやってきた修道士が、津軽海峡を眼下に望むこの場所に設立したのが始まりです。
1664年にフランスのトラップ修道院でより厳格な生活を望む改革運動が起こり、これを汲むものがトラピストです。
『祈り・労働・聖なる読書』を中心とした観想生活を送っています。
下へ降りてきて観光客の皆さんが向かうのはこちらの売店。
トラピスト修道院ではバターが作られており、それを使ったクッキーやバター飴は非常に有名です。
こちらのソフトクリームにはトラピストクッキーもついてきます。
修道院ができた当時、荒地だったこの場所を開拓して農業を盛んに行いました。
特に酪農に力を入れており、オランダからホルスタインの種牛を輸入し、それらの乳牛は南北海道へ広がっていきました。
それでは再び駅へ戻りましょう。
ちょうど津軽海峡フェリーが青森県へ向かっているところでした。
トラピスト修道院は道南いさりび鉄道内でも有数の観光地。実際非常に良い修道院であり、その人気も間違いないものでした。
函館からは少し離れていますが、是非足を伸ばしてみてください。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。