前日、秋田から能代駅までやってきまして、能代タウンホテルミナミに宿泊。五能線で東能代駅へ戻ってきました。
五能線と言えば観光列車のリゾートしらかみが有名で、メディアでは一番人気の観光列車として紹介されたこともあります。
しかし、今回乗車しますのは普通列車弘前行き。
五能線の普通列車には12月からGV-E400という新型車両が入り、線内で活躍しているキハ40・48系は引退することが発表されています。
これを受けてJR東日本は通常このように行き先を示しているサボを、
ご覧のような特別仕様に改めました。
今回は五能線キハ48系に乗車した様子を、この車両だからこそ楽しめるポイントに重点を置いて紹介していきます。
この列車は3両編成で運行されています。ローカル路線にそんなに必要なのかと言われるかもしれませんが、最初の区間は非常に多くの方が乗られるのです。
東能代駅に奥羽本線の列車が到着すると、ボックスシートを高校生が埋め尽くします。それ以外の方はほとんど居ませんでした。
能代駅に到着。ここではお客さんの9割くらい降りていきました。
急に車内は4,5人だけに。
米代川を渡り、お次の駅は向能代駅に到着。
ここで残りの高校生が降り、僕の他には2人しかいなくなってしまいました。生活利用者は1人…。
これでは3両も必要なくなってしまいますから、向能代駅からは後ろの1両を鰺ヶ沢駅まで回送列車として走らせます。鰺ヶ沢駅からはお客さんが増えますから、営業列車になるのです。
沢目駅には廃ホームが残っています。
昭和62年に交換設備が廃止され、嵩上げされていないホームがあります。
東八森駅を過ぎると、いよいよ日本海がお目見えします。
あきた白神駅からいよいよ五能線の代名詞とも言える、日本海の景色が見え始めてきました。
キハ40・48系の普通列車は窓を開けられるので、日本海の景色を直に楽しめます。
さらに、冷たい海風や気動車の音が五能線の車窓をより素敵なものにしてくれるのが、この車両の魅力です。
岩館駅でしばらく停車します。
乗車している鉄道ファンの方々による撮影会タイムです。
反対方面の普通列車と行き違います。
窓の開く列車からキハ48を見送るなんて現代の光景には思えません。
岩館駅から大間越駅は、海に非常に近いところを走ります。しかも最初の方は減速していたので波の様子などに釘付けです。
十二湖駅に停車。
リゾートしらかみも止まり、青い池が有名です。
陸奥岩崎〜ウェスパ椿山で、背後に白神山地が見えることに気が付きました。
秋田県と青森県の県境に位置し、世界自然遺産にもなっています。
ウェスパ椿山駅は非常にインパクトのある駅名ですが、こちらの建物を含む施設がウェスパ椿山。
温泉もあるリゾート施設だったのですが、2020年10月末で閉業してしまいました。
深浦駅に到着。
潮風を長い間受けたからか、白かったはずの車体も茶色くなっています。
反対方面から列車がやってきました。
ここで団体のお客さんが列車に入ってきて、ボックスシートが大体埋まるくらいになりました。
五能線で最も素晴らしい景色なのは深浦駅から広戸駅でしょう。
線路から少し見下ろすところには海が見え、カーブするようにして走っていきます。
さらにゴツゴツとした岩が海の上にたくさんそびえ立っており、そこに波が打ち付けてくる様子は迫力満点です。
この時深浦の気温は5℃。
窓を開けたまま景色を見ていると時々寒い風が顔に当たりますが、車内は暖かいので辛くはありませんでした。
驫木駅は五能線一の秘境駅とされており、夕方には日本海に沈む夕日が非常にきれいに見えるそうです。
千畳敷駅に到着。目の前には駅名にもなっている千畳敷が広がります。
リゾートしらかみに乗ると千畳敷駅でしばらく停車し、簡単な観光をすることができます。
お隣の北金ヶ沢駅ではリゾートしらかみと交換。
これから中のお客さんは千畳敷を歩くことになるのでしょう。
鰺ヶ沢駅に到着しました。
向能代駅から締め切られていた最後尾の車両が開放されます。
この先は少しだけ日本海沿いを走った後、海から離れていくので、山側に席を移りました。
ここからは津軽富士と呼ばれる岩木山が主役です。
五所川原駅に到着。
五能線は五所川原と能代を結ぶ鉄道の意味ですから、この駅は重要な拠点です。
五所川原はストーブ列車で有名な津軽鉄道の乗り換え駅で、五能線の車内でも時刻を含めた乗換案内がなされていました。
反対方向からはキハ40系がやってきました。こちらも同じく五能線から引退する予定です。
最後はリンゴ畑がたくさん見られ、青森を象徴するような景色で締めくくられます。
五能線の終点、川部駅に到着です。この列車は奥羽本線弘前まで行きますが、今回は川部で下車しました。
海の風を感じながら日本海を旅できる、そんな列車で五能線を走れたのは大変貴重な経験になりました。
リゾートしらかみのように様々なところでおもてなしがあったりするのも素敵だと思いますが、ずっと車窓に魅了されるのも良いものです。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。