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【消えた長距離特急】寝台特急も来た鉄道の拠点・寂しいけど再開発中の亀山駅

2022年7月9日

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こちらは関西本線亀山駅です。

東京〜紀伊勝浦を結ぶ寝台特急「紀伊」も亀山駅を経由しており、長いホームも十分に活躍。ここに来た最後の特別急行列車でしたが、1984年に廃止されました。

2006年には最後の優等列車、急行かすがが廃止されて、快速を含む普通列車だけが停まる駅となってしまいました。

 

紀伊半島や伊勢方面への速達列車は第三セクター伊勢鉄道線経由。奈良方面への長距離輸送も近鉄に役割を受け渡し、地域輸送に徹しているのです。

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今回は、この駅が大きな役割を持っていたころの名残を見ていきたいと思います。



2番線ホームに停車しているのは、名古屋方面の列車です。

3番線には奈良方面の表記。関西本線は名古屋と奈良を直接結びます。

 

名古屋方面へは快速列車も走っており、特に通勤通学時間帯の本数は多いです。

 

こちらは津・伊勢市方面へ向かう紀勢本線。

三重県内の通勤通学需要もありますが、名古屋方面よりは多少本数が減りました。

 

この紀勢本線の起点はここ亀山駅で、0キロポストが刺さっています。

 

ここから紀伊半島をぐるっと回って、和歌山市駅まで384.2kmという長大路線です。

 

JR西日本の奈良方面に至っては、1時間に1本。

 

使用されている車両はキハ120形。亀山~加茂は輸送密度1090人/日です。



そんな関西本線ですが、2021年春から亀山~加茂がICOCAエリアになりました。

名古屋~亀山はTOICAエリアですが亀山駅をまたがる利用はできず、ICOCAエリアから乗車した人は有人改札に設置された黄色いカードリーダーにタッチする必要があります。

 

駅舎内には神殿風の柱が立っているのが特徴的。屋根部分の天井がくりぬかれ、開放感があります。

 

ベンチがある待合所の方には、お店があったらしき部分にポスターが張られていました。

自動販売機が置かれている辺りがキヨスク跡です。

 

亀山駅はJR西日本とJR東海の境界駅。駅を管理しているのはJR東海になります。

 

1番線ホームから駅舎に面しては駐車場になっているのですが、かつては貨物や荷物がここで受け渡されていたのでしょうか?



駅周辺の地図を見てみましょう。

駅の西側にはクジラの歯みたいに、線路が分かれています。

線路がまとまっているところと関西本線の間には不自然な空白地帯もあり気になるところです。

 

線路がたくさん分かれていたところは、車両基地になっています。

オレンジ色の転車台も置かれていて、非常に広大な用地がとられていました。

 

左端にはJR西日本のキハ120形と、右手奥にはJR東海の313形が停車中です。

先ほども触れたとおり、ここは会社の境界駅。2つの顔が行き交います。

 

これでも十分広いのですが、かつてここには多くの機関車が行き交う、亀山機関区がありました。

 

(不明 - 新光社「日本地理風俗大系 第5巻」1929年(昭和4年)10月発行 P68, パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=18195982による)

奈良方面にある鈴鹿山脈の峠、加太越えに臨む拠点だったのです。

蒸気機関車時代には、先頭が引っ張るだけでなく、後ろからも機関車で押すプッシュプル方式での運行が行われていました。

 

現在この辺りは一面太陽光パネルに。太陽が反射して真っ白、海岸のように見えるほどです。



現在、亀山駅周辺では工事が進められています。

オレンジ色の瓦屋根でありながら、どこか洋風を感じさせる雰囲気の良い駅舎。その前には四角い枠が作られています。

 

どうやら乗降ロータリーに面して屋根を建設中の様子。

地方の駅において生徒さんの送り迎えは日常のこと、そのニーズに合わせたまちづくりです。

 

更に、駅前には再開発ビル「Kitto terrace(キットテラス)」が建設中です。

「亀山市の都としての亀都(きっと)」

「(亀山市や市民を)きっと照らす」

「亀山市民や多くの来訪者のコミュニケーションを組み立てるきっかけ(材料=kit)となる場所」

という意味が込められているそう。

 

手前の建物は図書館と、商業テナントが入るとのこと。最近よく見られるオシャレなガラス張りですね。

 

また、亀山市内にはリニア中央新幹線の駅が設置されます。

鉄道の運行に要する人員は減少していき、鉄道の街は段々衰退が進みますが、ここは最新の鉄路もやってきて未来が明るそうです。

 

今回もご覧いただき、ありがとうございました。

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